概要
断れない性格が、引き受けてはいけない仕事を引き寄せた
元上司Tへの恩義と、婚約者との未来。そのどちらも手放せないまま、俺はずっと「NO」と言えない自分に苛立っていた。せめて金だけでも返して、あの関係を清算したい——そんな時に見つけたのが、条件だけが異様にいい配達の「圏外案件」だった。
配達仲間の間でひそかに噂されるその案件は、引き受けた者の何人かが、そのまま連絡を絶っているという。半信半疑のまま依頼を受けた俺は、指定された住所に向かい、気づけば見覚えのない昭和の街並みの中を走っていた。
電話越しに届く女の声だけを頼りに、俺は配達を続ける。声は親切で、迷えばすぐに道を教えてくれる。けれど配達を重ねるたびに、気づいてはいけないことに、少しずつ気づき始めてしまう。
——数えては、いけない。
その言葉の本当の意味を知った時、俺はもう、後戻りできない場所に立っていた
配達仲間の間でひそかに噂されるその案件は、引き受けた者の何人かが、そのまま連絡を絶っているという。半信半疑のまま依頼を受けた俺は、指定された住所に向かい、気づけば見覚えのない昭和の街並みの中を走っていた。
電話越しに届く女の声だけを頼りに、俺は配達を続ける。声は親切で、迷えばすぐに道を教えてくれる。けれど配達を重ねるたびに、気づいてはいけないことに、少しずつ気づき始めてしまう。
——数えては、いけない。
その言葉の本当の意味を知った時、俺はもう、後戻りできない場所に立っていた
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