概要
ばあちゃんに、もう一度だけ雨の匂いを。
空を覆う巨大な「根」――天蓋に閉ざされた大阪では、十七年間、雨が一滴も降っていない。水は週に三日、給水列車で運ばれてくる配給品だ。給水基地で働く十八歳のなおは、ある日、根が街じゅうの水を空へ吸い上げていることに気づく。「もういっぺん、雨の匂い嗅ぎたいわ」配給の水を半分しか飲まないばあちゃんのために、なおは禁じられた穿孔機を盗み出す。ついてくるのは、ばあちゃんのお菓子を食べに来る近所の九歳、荒助。十一分二十三秒の雨が、街に残したもの。※全12話・約1.2万字の短編です(完結済み)。
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