未来の居住区を舞台に、古い風習を受け継ぎながら成人を迎える少女の一日が穏やかに描かれ、当たり前のように続く文化の中に世界の謎を感じさせる余韻が印象的な作品でした。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(427文字)
1話目から秀逸でレビューを書こうと思った。その風習は、どこからきたのか? 昔から皆がやっているから、誰も何も、考えていないだけではないだろうか?物凄く私に刺さる内容だった。日本でないどこか、今でない時間。完全なSFなのに、どこか懐かしい日本の原風景が目に浮かぶ。まるで新井素子の小説の様な、話だ。きっと、今を、地続きで繋げていくと、未来、このような日常が待っている気がする。
何気ない記念日を通して描かれるのは、宇宙に散らばった人類の暮らしの痕跡。高度に管理された社会、失われた地球の記憶、変質した風習。それでも人は祝い、戸惑い、誰かを想い続け、日常の温度が伝わってきます。
すべての日が小説になる。それを読んで満足が得られるだけの内容です。気楽に読んで、気楽に考える。
1話完結ながら各話の満足感がすごく、意のままに読み進めてしまいました…各記念日が、誰かの人生に紐づいていて、気持ちよさが残る作品です。面白かったです!