概要
だから俺は、ずっと手加減して投げていた
小学二年のとき、俺はチームでいちばん下手だった。
中学三年で百四十五キロ。でも捕手の太田は、俺の全力の球を捕れなかった。ミットから血がにじんで、指が紫色に腫れた。だから全力で投げるのは、一試合に数球だけにした。
一般入試で入った名門校の野球部。推薦組は練習、一般組はフェンスの外で球拾い。二年間、一度も投げなかった。
初めてのキャッチボールで、次期エースの球を受けた瞬間にわかった。俺の球のほうが速い。それでも腕が、勝手に遠慮した。
三年の春の練習試合。センターの一番深いところで、タッチアップの三塁ランナーを見た。
何も考えずに、腕を振った。
全5話・完結。
中学三年で百四十五キロ。でも捕手の太田は、俺の全力の球を捕れなかった。ミットから血がにじんで、指が紫色に腫れた。だから全力で投げるのは、一試合に数球だけにした。
一般入試で入った名門校の野球部。推薦組は練習、一般組はフェンスの外で球拾い。二年間、一度も投げなかった。
初めてのキャッチボールで、次期エースの球を受けた瞬間にわかった。俺の球のほうが速い。それでも腕が、勝手に遠慮した。
三年の春の練習試合。センターの一番深いところで、タッチアップの三塁ランナーを見た。
何も考えずに、腕を振った。
全5話・完結。
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