概要
「値なし」と裁かれ、買えず働けず住めない俺に、台帳に載らぬ道が開く。
十八の春、成人の儀で「値なし」と裁かれた。標を持たぬ者は、買えず、働けず、住めず、誓えない。町を追われた俺に残ったのは、赤い布と、名を伏せた施しのパンだけだった。
この世では、人は生まれた時に世界への負債を値づけされ、台帳に記される。返した量が、その人の「値」になる。買うにも住むにも連れ添うにも、二つの名の間に「線」が一本引かれ、返し終えるまで人を縛る。
壁の外の区域「帳外れ」で、メルキは値を見ずに椀を差し出す人々に迎えられる。そこで少しずつ知っていく。台帳が数えないものが、この世界を動かしているのだと——そして、その道を歩けるのが自分だけだということを。
「量り直しの余地なし」——あの裁きに、なぜ再びの機会はなかったのか。
異世界ファンタジー・全18話。毎日更新で10月上旬に完結予定です。
この世では、人は生まれた時に世界への負債を値づけされ、台帳に記される。返した量が、その人の「値」になる。買うにも住むにも連れ添うにも、二つの名の間に「線」が一本引かれ、返し終えるまで人を縛る。
壁の外の区域「帳外れ」で、メルキは値を見ずに椀を差し出す人々に迎えられる。そこで少しずつ知っていく。台帳が数えないものが、この世界を動かしているのだと——そして、その道を歩けるのが自分だけだということを。
「量り直しの余地なし」——あの裁きに、なぜ再びの機会はなかったのか。
異世界ファンタジー・全18話。毎日更新で10月上旬に完結予定です。
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