概要
一年で結構です。そのぶん、毎日きっちり働きます
「一年経ったら帰す。それまでは、好きにしていい」
借財のかたに嫁がされた夜、旦那様はそれだけ言って書斎へ戻った。好きにしていい、と言われたので、好きにさせていただくことにした。
翌朝、わたしは書斎の扉を開けて宣言する。
「本日の困りごとを、ひとつ承ります」
旦那様はこの国の宰相で、困りごとは山のようにあった。止まった決裁。揉めた使節。雨漏りの離宮。そして一年のうちに結ばねばならない、隣国との条約。
一日ひとつ。片付けるたびに、壁の暦を一枚破って箱へ入れる。箱の枚数が、わたしの働いた日数。
ところが。
二十五枚破ったのに、壁には三百六十五枚が、そのまま残っている。
「旦那様。暦が減らないのですが」
「……気のせいだ」
実家は今日も金の無心に来る。わたしが片付けた分だけ、あの
借財のかたに嫁がされた夜、旦那様はそれだけ言って書斎へ戻った。好きにしていい、と言われたので、好きにさせていただくことにした。
翌朝、わたしは書斎の扉を開けて宣言する。
「本日の困りごとを、ひとつ承ります」
旦那様はこの国の宰相で、困りごとは山のようにあった。止まった決裁。揉めた使節。雨漏りの離宮。そして一年のうちに結ばねばならない、隣国との条約。
一日ひとつ。片付けるたびに、壁の暦を一枚破って箱へ入れる。箱の枚数が、わたしの働いた日数。
ところが。
二十五枚破ったのに、壁には三百六十五枚が、そのまま残っている。
「旦那様。暦が減らないのですが」
「……気のせいだ」
実家は今日も金の無心に来る。わたしが片付けた分だけ、あの
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