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概要
戻せることと、戻していいことは別だった。
午前一時五十六分、保存局の夜勤復旧で、久世亮介の指が実行キーの手前で止まった。戻せば読める。だが、戻した瞬間にしか残らない現在状態が消える。真澄恵たちは復旧を急ぐ代わりに、複製を取り、経路を分け、読めることと戻ったことを切り分けていく。記録は保存されている。けれど、保存されたものが同じものだとは限らない。朝六時の引継ぎまでに、彼らが渡せるのは答えではなく、欠落を欠落のまま扱うための判断だった。観測者圏を舞台にした、保存・復旧・記録の同一性をめぐる独立ミステリー。
読んでくださること自体が、何よりの応援です。ありがとうございま
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