概要
勝った方が負けた方にお願いを一つ。二十九個、ぜんぶ彼女が使った
学年一の才女・氷川紗月と俺は、高一の五月から勝負を続けている。テスト、球技大会、百人一首。ルールは一つ、勝った方が負けた方に「お願い」を一つ。俺は二十九連敗中で、二十九個のお願いをぜんぶ聞いてきた。「一緒に帰って」「ノートを貸して」「名前を呼ぶ練習に付き合って」——才女の気まぐれだと思っていた。
二十九個目のお願いは、「次は、あなたが勝って」だった。
お願いは一人三十個まで。三十個目を使ったら勝負は終わり。彼女はわざと負けない。だから俺は、生まれて初めて本気で勝ちに行く。勝った俺が最初に使ったお願いは、彼女の一個目とまったく同じだった。
二十九個目のお願いは、「次は、あなたが勝って」だった。
お願いは一人三十個まで。三十個目を使ったら勝負は終わり。彼女はわざと負けない。だから俺は、生まれて初めて本気で勝ちに行く。勝った俺が最初に使ったお願いは、彼女の一個目とまったく同じだった。
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