概要
古いから捨てる。その一着が、二十年前の和平そのものでした。
王宮衣装室で働く伯爵令嬢セシリアは、隣国との国交回復晩餐会を前に、一着の古いドレスの修復を任される。
二十年前、亡き王太后が和平条約の締結式で着用したものだ。
ところが式典を担当する婚約者アルベルトは、その古びた衣装を見て言った。
「こんなものを国賓の前に出すつもりか。捨てて、新しいものを作れ」
新品の豪華な衣装で国威を示す。
式典担当官として、彼の判断にも理由はあった。
けれどセシリアは、ドレスの裏側に奇妙な刺繍を見つける。
自国の白百合と、隣国の青い鈴花。
なぜ敵国だった二つの国の花が、一着のドレスに縫われているのか。
調べていくうちに判明したのは、二十年前の和平交渉で交わされた、記録にもほとんど残っていない約束だった。
「職人なら、命じられた通りに作ればいい」
そう
二十年前、亡き王太后が和平条約の締結式で着用したものだ。
ところが式典を担当する婚約者アルベルトは、その古びた衣装を見て言った。
「こんなものを国賓の前に出すつもりか。捨てて、新しいものを作れ」
新品の豪華な衣装で国威を示す。
式典担当官として、彼の判断にも理由はあった。
けれどセシリアは、ドレスの裏側に奇妙な刺繍を見つける。
自国の白百合と、隣国の青い鈴花。
なぜ敵国だった二つの国の花が、一着のドレスに縫われているのか。
調べていくうちに判明したのは、二十年前の和平交渉で交わされた、記録にもほとんど残っていない約束だった。
「職人なら、命じられた通りに作ればいい」
そう
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