人生を変える書店(ミクちゃん4)

クライングフリーマン

人生を変える書店(ミクちゃん4)

 人生を変える書店(ミクちゃん4)

 =========== 問われるまでもなく、フィクションです ========

 私の名前は半海未来(はんかい みく)。

 叔母が区役所に出生届出す時、『未玖』を『未来』にしてしまったのだ。

 いつものように、その叔母の『一膳飯屋いいかげん』に、オヤジと一緒に夕焼け色のバイクに跨がって、昼飯を食いに行って帰ってきた。

 本屋の仕事は雑用が多い。


 私がまだ、小学生の頃だった。

 デパートの中で本屋さんがあった。

 こっちを見、あっちを見る内、持っていた本を落してしまった。

 それを、どこかのおじさんに踏まれて、どろんこになってしまった。

 その頃、お袋は、まだ生きていた。

「みく、その本、買う?気に入った?」

「うん。」

 お袋は、表紙が汚れた本をレジに持って行き、精算しようとした。

 店員のおねえさんが、「ちょっとお待ちください。」と、言って、カーテンの裏のストック棚から、新品の本を出し、精算し、包装してくれた。

 おねえさんは、当たり前のように精算し、当たり前のように掃除しだした。

「ありがとう。」

 本気で言った、最初の「ありがとう」だった。


 お袋は再婚した。

 私は、お袋が「再婚してもいい?」と尋ねたので、「本屋さんならいい。」と答えた。

 お袋の再婚の相手は、お袋が離婚した男だった。


 お袋は、やがて他界した。

「いつでも出てって、良いぞ。」

「オヤジ。ドラマみたいなセリフ、いつ練習した?いつでも私の裸、見ていいぞ。」

「もう何度も見た。」

「タダでか。金よこせ。」

「やだよ。お前の結婚資金減るじゃねえか。」

「本気で言ってるのか。」

「ああ。」

「店、継ぐからな。いつ死んでもいいぞ。」

「自分で決められるか。神様はな。整理券くれないんだよ。」

「どこの世界に『死亡整理券』配る神様がいるんだよ。」

「口の減らない娘だ。」

「アンタの影響だろ。アンタのDNAだよ。今度から『整理券』配ってやるよ。」

「『死亡整理券』か。」

「『裸体鑑賞整理券』。1回500円。2分以内。」

「何枚綴りだ?」

「根っからのスケベだな。」

「お陰様で。」

「あのー。漫才中すみません。あがっていいですか?」

「「あ。お疲れ様。」」


 バイト君1号、2号は帰った。

 漫才?しつれいな。親子喧嘩だよ。


 ―完―


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