概要
天下泰平に捨てられた腕を、四百年後の戦場で売る。
慶長二十年、大坂城落城。
豊臣方の牢人・十蔵(じゅうぞう)、四十二歳。人を斬ること以外に能はなく、天下が定まればもう己の居場所はないと分かっていた。だから負けると知って、豊臣についた。最後に刀を振れる場所が、そこしかなかったからだ。
燃える本丸を背に、侍女たちを地下道へ逃がす。気づけば一人。抜けた先は、見たこともない石の穴だった。
透明なぶよぶよが女を襲っている。斬る。三太刀。
女が手にしていた薄い板は「すまほ」というらしく、俺が斬るところは何万人かに見られていたそうだ。
ここは四百年後の日本。穴の名はダンジョン。化け物を斬れば、金になる。
戦はなくなっていなかった。形が変わっていただけだ。
人斬りしか能のない四十路の牢人が、現代の穴で、S級探索者と呼ばれるまで。
豊臣方の牢人・十蔵(じゅうぞう)、四十二歳。人を斬ること以外に能はなく、天下が定まればもう己の居場所はないと分かっていた。だから負けると知って、豊臣についた。最後に刀を振れる場所が、そこしかなかったからだ。
燃える本丸を背に、侍女たちを地下道へ逃がす。気づけば一人。抜けた先は、見たこともない石の穴だった。
透明なぶよぶよが女を襲っている。斬る。三太刀。
女が手にしていた薄い板は「すまほ」というらしく、俺が斬るところは何万人かに見られていたそうだ。
ここは四百年後の日本。穴の名はダンジョン。化け物を斬れば、金になる。
戦はなくなっていなかった。形が変わっていただけだ。
人斬りしか能のない四十路の牢人が、現代の穴で、S級探索者と呼ばれるまで。
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