概要
乗せる相手は、俺が決める。
異世界に生まれ直して五年。俺は、軍馬の不合格品になっていた。
命令通りに崖へ走れなかった。ただ、それだけだ。
処分を待つ厩舎に来たのは、馬を失って騎士団を辞めた十九歳のエダ。
彼女は俺に鞭を入れる代わりに、尋ねた。
「私を乗せてくれる?」
人間の言葉は話せない。剣も握れない。
けれど俺には、走る勢いを三つの鼓動だけ蹄に留め、別の方向へ解き放つ力がある。
止まれる馬と、引き返せる騎士。
二人でなら、誰も抜けられなかった包囲も、王国最強の騎兵も突破できる。
やがて俺たちが挑むのは、すべての軍馬を同じ方向へ走らせる王の鐘。
英雄の持ち物で終わるつもりはない。
誰を背に乗せ、どこへ駆けるかは、この四本の脚で決めてやる。
命令通りに崖へ走れなかった。ただ、それだけだ。
処分を待つ厩舎に来たのは、馬を失って騎士団を辞めた十九歳のエダ。
彼女は俺に鞭を入れる代わりに、尋ねた。
「私を乗せてくれる?」
人間の言葉は話せない。剣も握れない。
けれど俺には、走る勢いを三つの鼓動だけ蹄に留め、別の方向へ解き放つ力がある。
止まれる馬と、引き返せる騎士。
二人でなら、誰も抜けられなかった包囲も、王国最強の騎兵も突破できる。
やがて俺たちが挑むのは、すべての軍馬を同じ方向へ走らせる王の鐘。
英雄の持ち物で終わるつもりはない。
誰を背に乗せ、どこへ駆けるかは、この四本の脚で決めてやる。
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