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概要
犯人を追うほど、俺は消えていく。
――人を助けて、俺は死んだ。
事故に遭いそうな老人を庇い、命を落とした平凡な中年男。だが死後、彼を待っていたのは安息ではなかった。
助けた老人から与えられたのは、二つの力。
物をわずかに動かす力。
そして、強い感情が刻まれた物から、記憶の断片を読み取る『残留思念』
血のついた凶器。
消されたメッセージ。
誰かに握り潰されたメモ帳。
死者にしか見えない痕跡を手がかりに彼は殺人、失踪、脅迫の裏に潜む悪意を暴いていく。
だが、その力には代償があった。
物を動かすたび、残留思念を読み取るたびに、彼の存在は少しずつ削られていく。
記憶が薄れ、声が遠のき、やがて誰の目にも映らなくなる。
彼の声は、誰にも届かない。
触れられる物は限られている。
残せるのは、誰かが気づくかもしれない、ほ
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