『カクヨムコン11』の足音が聞こえてきました。
初参戦なんだけれども。
タイムラインには「新作、書き上げました!」「全力で挑みます!」という、直視できないほどのキラキラした情熱が溢れています。
その眩しいエネルギーだけで、僕の部屋の温度が2度くらい上がっている気がします。
そんなお祭り騒ぎの片隅で、僕はひとり、ハードディスクの奥底で冷たくなっているファイルたちを、そっと掘り起こしています。
今回、エッセイと短編部門に参加する予定ですが、ここで正直に告白しておきます。
これから投稿する作品たちは、ピカピカの「新作」ではありません。
他の公募という戦場で討ち死にし、無言で送り返されてきた「敗残兵」たちです。
普通なら、闇に葬り去るべき過去の遺物かもしれません。
しかし、僕の中の貧乏性なプロデューサーが、こう囁くのです。 「てめえの書いた文章だろ。骨までしゃぶり尽くせよ」と。
というわけで、僕は今、傷だらけの原稿たちに「リライト」という名の化粧を施し、死化粧ならぬ、お色直しをしています。
これは「使い回し」ではありません。
言い訳をするならば、「文学的SDGs」です。
自分の労力を再利用する、極めてエコな執筆活動なのです。
一度は「不要」の烙印を押された彼らが、カクヨムという異世界で、ゾンビのように蘇るのか。
それとも、二度目の死を迎えるのか。
「新装開店」の札を下げてはいますが、商品はすべて「ワケあり」です。
もし見かけたら、「ああ、コイツまた悪あがきしてるな」と、生温かい目で見守っていただければ幸いです。