約20年前に執筆した『傘下の剣豪』をリライトするにあたって、一番悩んだのはキャラクターでした。
そのまま活かすには、どうしても平成初期の空気感が拭えなかったからです。
そこで、古き良き初稿のエッセンスを残しつつ、令和の時代に馴染むようにするにはどうすればいいかと考え、ネットミームを取り入れることにしました。
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ネットを見ていると、「この言葉、もう古い?」「流行りの言い回しは?」と気にする人をよく見かけます。
私自身も言葉遣いが気になって、ネット用語の元ネタ検索に時間を費やしてしまうことがありました。
でも、それって結局「自分の言葉に自信が持てないから」じゃないか?と。
ツルギというキャラクターには、そんな「言葉を借りることで、自信のなさを補おうとする」要素を持たせました。
そのため、あえて彼女の台詞にネットのどこかでよく見かけるミームを多く使っています。
一方で、カタナは周囲に流されない「確固たる意志」を持つキャラとして描きたかったので、あえて初稿のままの口調にしています。
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ツルギがリョーマと出会い、「好き」に自信を持つことで、少しずつネットミームを手放し、自分の言葉で表現していく――
そんな変化に「成長」の想いを込めました。
もし少しでも、それを感じ取っていただけたなら嬉しいです。
ありがとうございました!
■傘下の剣豪 ~刀に嫌われた男~(読了時間:約24分 / 12,000文字)
https://kakuyomu.jp/works/16818093092046425426
⇒全12話構成(サブタイは好きな映画タイトルをパロディさせて頂きました。ごめんなさい)
■傘下の剣豪 ~刀を捨てたら最強でした~(読了時間:約20分 / 10,000文字)
https://kakuyomu.jp/works/16818093093348422147
⇒「刀に嫌われた男から」個人的に愛してやまない冗長をカットしまくって1万文字に調整した公募用。
内容はほぼ同じですが、もし良かったら読み比べてみてくださいね。
雪染衛門