年々で変わるわたしの好み。その中でもっとも印象に残るのは、皆川博子と服部まゆみです。ずっとわたしの憧れでした。「死の泉」(皆川)「この闇と光」(服部)を読んだときの衝撃。こんな凄いものは初めてだ、と感激したことを今も鮮明に思っています。お二人の作品は手に入る限り読んだと思います。
年末に「転スラ」の最終巻、正月に「FRESH&BLOOD」松岡なつきを読みました。転スラはアニメしか知らないので話が繋がらず、大きめで分厚い本にわたしの筋力が終わりました。こういうとき、健康だったら良いのにと心底願います。もうひとつの作品は25巻で、田舎住まいのわたしには手に入ったり入らなかったり。自分も寝たきりだけど、作者の方もご病気で休載していたようです。あぁぁぁぁ、健康が一番です。
「FRESH&BLOOD」は、一人の我儘に育った少年が、イギリスの地で、エリザベス一世の時代にタイムスリップして、スペインとイギリスの海賊船が戦うのを体験するという話です。主人公の周り以外は、歴史人物という大作です。BLに興味は無いけど、気にしなければ楽しめる。わたしはヘテロの恋愛でもキモチワルイと感じるタイプなので、ゲイでも同じです。ただ、とても勉強になったの。後世に残る歴史と、松岡氏の描く歴史のズレ。そこがいいのよ。
服部まゆみも「1888切り裂きジャック」で主人公以外はほとんど実在の人物、という小説を書いていました。美しい表現で面白い話を書いてくださる作家でした。
文章的には松岡氏が圧倒的に読みやすい。「転スラ」は三人称仕様で書いていると思うと、突然私小説的に「俺は○○だった」となり、リムルの語りだなと思うと、「リムルは」となる。慣れていないので混乱しました。
カクヨムもそうだけど「メディアミックス」という媒体に疑問を感じました。ネット動画を観ても、「漫画が原作、アニメ化」「漫画の原案」扱いしてしまうのね。随分失礼なんだな。
「転スラ」と類似の小説では初の最終刊だそうです。でも、番外編などがまだ出るそうなので、わたしとしてはガッカリ。ファンには嬉しいね。
わたしは、おカネは欲しいけど、漫画の原案という立場にはなりたくない。まあ元々素人だから、気にしなくて良いけど。
連載、外伝、ゲーム、漫画、ライトノベル・・・各方面に広げて関わる人が増えるにつれて、統一性も、起承転結も無い。作者が可哀想だと思う。作者の思ったとおりに自由に書かせてあげたいわ。
確かに一つのヒット作で多くの人が飯を食えるシステムだけど、読者が思い描く期待からずれていく気が致します。
まあ・・・今時は漫画も読まない人が多いそうで、エンターテイメント小説は読まれない。ライトノベルはアニメとタイアップすれば売れるかも。紙媒体はもう死んでいるね。それでもわたしは本を読みたいのです。今や文庫本しか読めないけれど、紙の手触りと美しい文章がわたしの閉じている世界に彩りを添えてくれます。