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今回は即興小説を書きましたので、もし良かったら読んでって下さい。にゃー子が東京に来る前の話です。
にゃー子と座敷童
にゃー子がまだ東京に来ていない頃のお話。
とある田舎の街に暮らす灰川家の猫叉にゃー子、今日は暇なので外を散歩してる。
その道中で神社に立ち寄ると、にゃー子が猫叉になる前から集落の周辺に居る小さな妖怪が木陰に座っていた。
古めかしい着物姿の小さな女の子の妖怪、座敷童のスミレだ。この辺りの集落に昔から居る座敷童で、霊能者が多いこの地域では『みんなの孫』みたいな感じの妖怪だ。
大人しくて内気だけど優しく、腰とかを痛めたお婆さんやお爺さんを霊力で癒したりしている。老人ホームに居付いた時などはちょっと大変な思いをする事もあるみたいだ。
「にゃ、座敷童のスミレにゃ、こんな所で何してるにゃ?」
「……! …~……~」
「そうかにゃ、村田の爺さんが今日は農協の集会に行ってて退屈だから、神社で1人で遊んでたけど飽きちゃったのにゃ」
「~~……~…」
「にゃー子に任せるにゃ! スミレがヒマしないように、何か面白い動物霊か妖怪でも連れて来るにゃ!」
そう言ってにゃー子はスタコラと走って行き、神社の外から良さげな動物霊を連れて来ようとする。
スミレは『にゃー子ちゃんが遊んでくれたら良いのに…』と思わなくもない。
そんなスミレは猫が好きだが、仲の良い雪ん子妖怪のユキは犬派である。今は冬ではないのでユキは出て来る事が無理で、夏から秋にかけては暇な時間が多いのがスミレだ。
「良い感じの奴らを連れて来たにゃ! エントリーナンバー1はコイツにゃ! いっつも井戸の中に居るウサギの動物霊のサダウサギにゃ!」
「きゅいっ、きゅい~」
「……! ……~、っ……~」
スミレは、サダウサギちゃんだ!いつも佐田さんの家の井戸に居てあんまり見れないから嬉しい!と喜んでいる。
サダウサギは井戸の中が好きで、佐田さんの家の井戸にずっと居るからこんな名前だ。某映画は関係ない。
そこそこ人懐っこいが灰川家の猫ほどには人懐っこくない動物霊であり、この辺ではそこそこに知られている動物霊。
今は機嫌が良いらしく、スミレの周りをピョンピョン飛び跳ねている。スミレも追っかけたり撫でたりして笑顔になっている。
「エントリーナンバー2は、佐田さんの家の門にぶっ刺さってた鬼突きにゃ!」
「きぃー、きぃー゛!」
「~~! ……~、……~~」
今日はモッチリしてる!エサをたっぷり食べれたんだね!、と思いながら、スミレは鬼突きをナデナデしてる。この感触はなんだかクセになりそうだ。
なんで鬼突きさんはいっつも門に刺さってるの?、と心の中で聞くが、鬼突きは妖怪でも意思疎通は出来ないから返答はしない。その代わりに「きぃっ」と鳴く。
「ナンバー3は動物霊でも妖怪でもないにゃ!でも霊能力のある猫だにゃ! 灰川家に来てたネコッパチにゃ!」
「にゃにゃん、にゃ~ん」
「……! っ……~、……~」
ネコッパチちゃんだ!、甘える時もちょっとご機嫌斜めの時もオデコを押し付けて来ると話題のネコッパチちゃんだ!、とスミレは喜ぶ。
この猫は人間に害をなす動物とかが来た時もオデコで頭突きする猫で、感情表現もオデコを使いまくるから、でこっぱちと掛けてネコッパチと呼ばれている猫だ。
最近は集落でも認知されており、よく灰島の家のお母さんに甘えてると話題である。
「きゅい、きゅいー」
「きぃ、きぃーー」
「にゃにゃ~ん」
「っ……~、~~……~、あははっ……~~」
「おわっ! スミレが声を出したにゃ!すんげー珍しいにゃ!」
にゃー子が連れて来た動物霊や妖怪や猫と戯れ、スミレが珍しく声を出して笑った。
スミレは内気過ぎてほとんど喋る事は無く、意思疎通のためには表情を読んだり仕草を読んだりしなければならい。
そのため集落で霊能力がある人達はスミレとの意思疎通のために、表情を読む事が上手くなっているのだ。
「たっぷり遊んで楽しむにゃ! いつも小さな幸せを皆に届けてくれて、ありがとにゃ!」
「~~……、~~……~…」
スミレはニッコリ笑顔でにゃー子が連れて来た3匹と遊ぶのだった。
内気なためあまり自分からはリアル動物にも動物霊にも近付かないが、内心では触りたいとか遊びたいとか思ってるのがスミレだ。
今日はたっぷり触れ合って、ご満悦の表情で今の住んでる村田家に帰ったのであった。
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まだ続く予定ですので、良ければ先々も読んで行って下さい。