gaia-kyさんからギフトを頂きました、誠にありがとうございます!
応援して頂けていつも感謝しております!
今回はお礼の短編小説を書きましたので、もし良かったら読んで行ってください。
市乃と空羽の暗め雑談
「あれ? 空羽先輩?」
「市乃ちゃん? 偶然だね」
ある日の夕方、2人は偶然にも渋谷センター街でバッタリと会った。2人とも買い物をしようと何となく街に来ていたのだ。
「良かったらお茶しないかな市乃ちゃん、せっかく会ったんだしね」
「そうですねっ、私も喉乾いたなって思ってましたしっ」
そのまま2人は近くの喫茶店に入って話をするが、今の時間は客が多いためVtuber関係の話はナシにしようという事となった。
会社帰りや学校帰りの若者で賑わうコーヒーショップの中、2人は飲み物を受け取ってから席に着く。
「市乃ちゃんは学校と家って近いんだっけ?」
「私は普通くらいですねー、事務所とは近いんですけどね。空羽先輩もそこまで近くないんでしたっけ?」
「私もそうかな、前に引っ越して少し近くなったんだけどね、ふふっ」
「今のマンションってどうですかっ? 家賃とかセキュリティとか防音とかっ」
「家賃は少し高いけどセキュリティも防音も凄く良いよ、それにペットOKだしね」
空羽は稼ぎが大きいため家賃が高くても大丈夫であり、顔出しもしてしまっているためセキュリティが強いマンションを選んでいる。
そのマンションは芸能人などが住んでいたり、かなりセキュリティ面では信頼できる物件だった。盗聴被害や侵入者被害もゼロである。
しかし人気物件であるため空きが出る事は少ないそうで、空羽は前から目を付けて空くのを待っていたと言う。空きが出たら知らせてくれと不動産屋に頼んでたらしい。
「あっ、そう言えば桜ちゃんが紅茶の専門店で、良い茶葉が買えたって言ってたんだ。ボトルに入れて持ってた時に飲ませてもらったんだけど、凄く美味しかったよ」
「桜ちゃんって紅茶が好きですもんねー、アリエルちゃんと話が合いそうって思いますよ」
「由奈ちゃんはお菓子作りとかも上手いし、なんだか女の子っぽい趣味があって良いよね、ふふっ」
普通に会話をしているのだが、どうにも本当に話したい事が話せない。
心の中では活動業務などの事が話したい気持ちはあるが、混みあってる店内では何処で誰に気付かれるか分からないから迂闊に話せない。
これがもしシャイニングゲートの配信邸宅などであれば普通に話せるのだが、最近は幽霊騒ぎも無いから利用者が増えてきて、本来なら部外者である市乃たちは入りにくい。
しかも邸宅の方は最近は派閥が取りあいみたいな事を裏でやっているらしく、そういう事に強くは干渉したくない空羽たちは、あまり行かなくなっていたりする。
派閥が出来れば縄張り争いが発生するのは当然の話であり、その他にも所属者や職員問わず様々な問題が出始めている段階だ。
「その…何がとは言わないですけど、最近って空気が悪くないですか…? あはは…」
「うん、ちょっと色々な事があるみたいなの、私もその辺りの事はそんなに聞かないようにしてるよ」
会社の人や渡辺社長からは聞かないようにしているが、それでも感じられる事は様々とある。
現状はシャイニングゲートのトップ3は全員が何処の派閥にも属しておらず、仲間への引き込み合いみたいな事も発生してるのだ。
それが大きな問題に発展しなければ良いとも空羽は思うが、かと言って自分が舵取りをして全てを収められるほど簡単ではない。
「ウチの所も問題は抱えてるんですよねー、どうなるかちょっと分かんない感じかもです」
「うん、ちょっとだけ聞いたよ、色々と状況が動いたから今は大変だもんね」
ハッピーリレーは動画編集やネットCMや広告の制作業と、ネット配信業を分離して別会社にしようかという動きがある。
今はどちらの業務も忙しくなり、税金などの申告が凄く難しくなってしまっている。このままでは税理士を通しても、後から見落とし経理などが出て来て粉飾決算みたいな事になってしまう恐れがあるのだ。
他にも問題はあり、シャイニングゲートの事務所移転問題、CM案件などでの所属者の迂闊な発言で違約金が発生しそうになった問題、職員が足りない、情報漏洩対策、山積みだ。
「何だか暗い話になっちゃった! なんかムシャクシャするっ、空羽先輩っ! ムシャクシャ解消に散歩でもしましょうよー!」
「そうだね、私もちょっと気分転換したいし」
今日はなんだか2人とも虫の居所が中途半端だったようで、このままじゃ夜の配信にも影響しそうなので散歩して気分を入れ替える事にする。
こういう日だってあるものだ、毎日が絶好調で楽しい日々なんて事は誰しも無いだろう。
本当なら漫画とかゲームの話題にでもなれば違った気分になったかもしれないが、なんかそうならなかった。たったそれだけの事だ。
「どこ行きますかー? 107とかっ」
「うん、良さそうだね。あそこなら明るい雰囲気だし」
この後はコーヒーショップを出て街を散策して、何か面白い物でもないかと歩いたのだが、怪しいスカウトが市乃と空羽に声を掛けたりして来て落ち着かない日になった。
結局この日の配信は悪くはないがイマイチの出来になってしまい、不完全燃焼の日になってしまう。
2人ともプライバシーが守られて安心して話が出来る場所を増やしたいなと感じた。
特に市乃は灰川たちとの夜遊びの件で、夜でもストレス発散できる場所とかが欲しいと前より強めに感じている。
あとなるべく明るい話をしよう!とも思ったりもしていて、やっぱり暗い話は怪談話とかに限るよねと感じたりもした。
gaia-kyさん、ギフトを送って下さりありがとうございます!
これを励みに続きを書いて行こうと思います!
今年は寒くなるのか心配ですが、転倒とか病気とかせず越せるよう頑張りたいと思います。
ギフトありがとうございます、これからも楽しみつつ書いて行こうと思います!