「貴方、普段どうやって時間を計ってる?」
「腹時計」
リディアの質問に俺は即答した。
その答えを聞いてクスクス笑うリディアを見て、実は違う事に気付いた。
「違う、太陽の位置だ」
「そうよね、貴方って時々真面目な顔して面白い事言うわよね」
いや、別に面白くなど無いと思うんだけど……。
〜中略〜
「でも、時間が分からないと不便じゃない?」
リディアは俺の質問に答える代わりに呪文を唱え始めた。
『今ここに磁力と光の力をもって時刻を示せ』
リディアが人差し指と中指で空中に何かを描きながらそう呟き、軽く指を『パチン』と鳴らすと、空中に日時計が現れ、窓から差し込む陽の光が影を作って7:00を指した。
「これじゃダメなの?」
磁力で動く文字盤に、立った針が影を落とす日時計。
確かに夜の時間は分からないが、実用性を考えれば十分過ぎる。