本日より、映画の批評集を立ち上げました。 タイトルは**『スクリーンという名の鏡――運命と認識を巡る映画批評録【ネタバレあり】』**。
私はこれまで、映画という表現に対し、時代の節目を客観的に見つめ、自らの史観を構築するための対話を続けてきました。 流行や感情の昂りではなく、映像という「事実」に基づき、人間が抱える普遍的な宿命や、認識の危うさを掘り下げる。 そのプロセスで生まれた思考の断片を、一つの記録として整理しました。
第1回は、クリストファー・ノーラン監督の**『メメント』**です。
意識外に存在する世界を、私たちはどう認め、あるいはどう拒絶するのか。 この問いは、私が物語を紡ぐ際の根底にある「人間への眼差し」とも深く重なっています。
結末まで踏み込んだ全編ネタバレの構成ですが、一度その物語を観終えた方にとって、新しい視点を発見するための案内書となれば幸いです。
一人の書き手が何を視座として世界を捉えているのか。 その片鱗を、映画という鏡を通して感じていただければと思います。