りな

恋をして、笑って、すれ違って、忘れられない。 誰もが一度は経験する「誰かを想う時間」を切り取った10の物語。 公園で、踏切で、観覧車の下で。 ※それぞれ独立した一話です。

九月、まだ夏の匂いが残る放課後。 クラスメイトのハルカは、唐突にヨッシーへ言った。 『手、つないで帰ろっか？』 全5話

夕暮れの駅で偶然、昔の同級生に出会う。 ほんの一言を交わしただけで、高校時代の記憶がこぼれ出す。 胸の奥に残る切なさと、商店街に漂う揚げ物の匂い。 丸い夕日より、丸いハムカツ。 …

終電で帰る夜、遠くに光る観覧車を見た。 ゴンドラに乗る恋人たちは観客、 観覧車の最上部は舞台。 愚かな恋を笑いながら、 私はそこで踊る。

参考書を閉じて、廊下を歩く九月。 退屈と不安の途中で――「階段で踊ろうよ！

ここは少し不思議な喫茶店――。 甘いチョコレートパフェ、ツンデレなオムライス、酸っぱいレモネード、遊び心のプリン、そして最後は苦くて甘いアイスコーヒー。 彼女は「癒しちゃん」と名…

真夏のホームで、長袖の君に声をかけた。 海へ向かう途中、気まぐれなやりとりが続いていく。 けれど、目が輝く横顔に恋をしてしまった――。

海を見たい朝。虹の終わりを探した帰り道。 入道雲を見上げた夏。イチョウ並木を歩いた秋。 季節のなかで交わした、4つの小さな願い。 叶ったものも、叶わなかったものも、全部となりで…

夏の向日葵、青い空、蝉の声。 信じられない恋と、止まらないペダル。 「絶対に許さないから、絶対に会いに行く」 夜から朝へ、自転車で駆け抜けるひと夏の物語。 二百回なんていらない。…

サメくんとペンギンちゃんは、水族館で手をつなぎました。 サメになったり、アザラシを調べたり、ペンギンを見ながら照れたり。 ふたりだけの冗談みたいな恋は、ふざけてるようで、ちょ…

白い部屋に始まり、白い光に還る。 眠れない夜、かかってきた一本の電話。 画面の向こうで笑う「君」は、本当にそこにいる？ 自販機の前の缶コーヒー談義。 その笑いの中に、ふと混じ…

春の終わり、少女は先生を見送る。 通い慣れた道、ふとよみがえる記憶。 秋に、冬に、春に。忘れたくない声が、瞳が、そこにある。 季節とともに思い出が積もる、儚くも静かな別れの物語…

全3話　予定です。 少しだけ特別な夏の、男の子と女の子の話です。