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第59話【別れの白菊】

第59話【別れの白菊】。

このエピソードも特別気にっている大好きなエピソードです。

曹操と荀彧の最後については、どんなものであったかは各々想像するものがあると思います。

私はとにかく最後の最後に二人が腹を割って話すことを避けて終わってしまったようなイメージがあって、別れが避けられなかったにせよ、この二人の関係性から言えば、最後の最後にもう一度二人だけで、

魏公と臣下じゃなく、


出会った頃の


「曹操と荀彧」


として二人きりの場所で、話してほしかったのです。
その結果荀彧が死を選んでも、それはそれで仕方ないと思います。

分かり合えないまま死んだ感じがどうしても嫌だった。

なのでその「最後に話してほしかった」という私の願いを叶えたのがこの話になりました。

二十年以上。

こんな誰も信じられないような乱世を隣で生きて来て。

最後相手のことが分からなくなって死に別れるなんて悲しすぎる。

同じ日に死ねなくても別にいいのです。

心は最後まで繋がっていて、理解はし合っていて欲しい。

うちの荀彧はこの話で亡くなるのではなく、この話で曹操の許を離れ、曹丕の側に向かうことになります。

曹操の、曹丕に対する理不尽な態度は、私はどうしても許せないのです。

曹操が全人類に等しく、感情剥き出しで当たり散らすような人なら別に気にしません。

曹操は良き友人もいますし、良い部下もいます。才を見つける目がありました。

また、身内に愛情を持てない人でもなく、子供の中には深く愛した子もいます。

だからこそ気に食わない。

完全に曹丕個人に対する憎悪なのです。

そーいうことをすると私は、曹丕の側に、曹操がこの世で絶対に恨みを抱けない相手を置きたくなるのです。

闇もあれば光もある。

それが世界で、

それが人生と信じているのが私ですから。

ということで曹操の光を曹丕の許へ移動させます。

七海ポルカ理論から言うと、父親が理不尽な理由で息子を苛めたりしているとそういう世界の歪が生まれるわけです。


____________

①
荀彧
『必死に生きているご家族を傷つけます』
荀彧は何度もそう注意したのに、曹操は聞かなかった。
『郭嘉が俺からの文を嫌がるはずがない。家族の苦労など知らん』

_____________

②
荀彧
「どうあっても、私は貴方を許せません。貴方も私を許せないはずです。
 許せない二人が本気で向き合えば、殺し合いになる。

 ――郭嘉殿の気持ちを考えてください。

 あの人は必死に病魔と戦い戻って来たんです。
 病床では貴方と再び共に戦うことが、支えだったはず。
 私と貴方が殺し合ったら、もう一度彼に地獄を味わわせることになる!」

______________

③
曹操
「論点をずらすな。荀彧。
 郭嘉はお前より、むしろ俺に近しい。
 一度地獄の味を覚えたなら、奴はそれを恐れたりせん」


____________

④
曹操
「お前とは董卓や袁紹と遣り合っていた頃からの付き合いだ。
 よって完全にお前は俺達の一味だが。
 ……だが俺と元譲と妙才だけだったら、今頃どこに向かっていたか分からん。
 お前がいたから、俺は成すべき道から大きく外れなかったのだと思っている」

___________

⑤
曹操
「――曹魏の『導きの星』は、お前だ。荀彧」


____________

⑥
荀彧
「彼や、郭嘉殿や、
 …………私がどんなに……、
 ……貴方を大切に思ってるか……」

_____________

⑦
曹操
 曹操は小さい頃「正しさ」を、教えてくれる存在が誰もいなかった。
 ……本当に正しく生きることや、清廉であることの大切さは、
 荀彧に出会ってから教えられた。

____________

⑧
荀彧
 遠くから、夜宴の笛の音が微かに聞こえて来る。
 この音を曹操はもう共に聞いてはいない。
 聞いているのは曹子桓である。
 彼は父親の愛情の枯れた庭から咲いた花だ。
 荀彧は初めて、心から曹丕に親しみを覚えた気がした。

______________
⑨
荀彧
 大切なことは、
 どこかで心が壊れて、
 美しいものを、美しいと思えなくなってはいけないということ。
 どんな避けがたい、悲しみの別れがあっても、
 花の咲く季節に、
 人はまた笑えるようになる。


______________


①!! 私的に最高に気に入ってるセリフです!!
拍手したい!! こんなん他人の話で見つけたら一発でファンになる!!

というのも、

「家族の苦労など知らん」

の部分が、私が下手期を抜け出し自分の表現力を磨くようになって、一皮むけたことによって、書けるようになった表現だからです。

下手期、またそれに準じるような時期には、私はまだ心に迷いや遠慮があって、ここまでキャラに入り込んでセリフを没頭して作れなかった。

まだ【作者】自身が残っててしまって、いや勿論作者の魂を残すことは大切なのですが、各々のキャラのセリフを絞り出すためには本当に役に入り込まなくてはならなかったのに、それが出来てなかった。

それがある時集中してキャラに入り込んで、まるで演じるようにセリフが思い浮かんでスラスラ書けるようになった時に、

この【家族の苦労など知らん!!】というなんということ言うんやみたいなセリフまで書けるようになったのです。
明らかにこの時の曹操には「家族などより俺の方が郭嘉に近い!!」という強い自身が漲っていますよね。

下手期下手期と私はよく言っていますが、下手期ってなにも文章が下手なだけではなく、総じて「書くことに慣れていない」「自分のスタイルが見つかっていない」ことも含めて下手期なのです。

私は下手期、今ほど他人に無遠慮になれませんでした。
元々は優しい人間だったので、セリフとかにもそれが残ってしまっていたのです。

今はもう役に入り込めばどんな酷いセリフも書けます。

何であれ書けるようになった。

このセリフには私自身の、成長や思い切りの良さを感じられるのです。

生き生きしてる!!✨✨

拍手したいくらい!🥰 気に入っています!!

よく書けるようになったよ。えらいっ!✨

魂を感じますね!! 魂の叫びを!

④。この話を書きたかった理由がそもそも、冒頭の曹操と荀彧が最後二人だけで話してほしかったというものですが、もう一つが本当に曹操と荀彧のような関係、私は憧れなんですよ。子供の頃友達に恵まれなかったので、元々違う所にいたのに「貴方と一緒にいたい」という理由で荀彧が曹操の許に来てくれて。
荀彧が選んだ人なんですよね曹操は。

それであんなに酷い、大変な時代を、離れずに二十年以上も。

それってどういう友情なんだよって思います。
憧れます。
例え何か、未来の方針で違う道を歩むことになってもいいけれど、
お互いが分からなくなって別れて欲しくはない。

納得して離れて欲しい。

人は納得すれば辛い別れとかも乗り越えられると私は信じているので。

④や⑤は、

史実では恐らく曹操が伝えきれなかった荀彧への想い。
感謝とか、友情とかです。

⑥は名セリフじゃなくてピックアップ。
⑥を見て明らかに分かることがあると思います。
これ完全に頭の中で会話が実写化されてないと書けない間の取り方なのです。

海外ドラマだったら、言葉に詰まった荀彧の喋り方が伝わると思います。

⑦も好きなセリフだし、実感籠っています。

私はそれこそ「正しさ」や「優しさ」を親ではなく他人に教えてもらいました。
でもそれでいいのです。大切なのは【親に教わる】ことではなく、
【教えてくれる人に出会えること】。
それさえ出来れば誰でもいいのです。

曹操は漢王室の腐敗や、理不尽な乱世を子供の頃憎んでいたと思うので、正直自分の出自もちょっと気に入ってなかったと思うのです。利用はしたけど。名門でもない。宦官であることで、地位を得た家。
憎むべき漢王室の恩恵を自分の家も受けている。
そういう自分自身のことも気に入らなかったのではと。

曹操ってちょっと若い時ぐれてたっぽい記述があるので、

そういう所から「自分の身体に流れる血が嫌い」みたいなのを感じる所がある。

そういう彼からすると、名門の荀家の、清廉な性格の荀彧が自分を気に入ってくれて、親しく側にいてくれたことは、すごく嬉しかったことなんじゃないかなと。

曹操がなんか下らない悪さをしようとすると、大抵の人間は付き合って一緒にやるような奴ばかりだったけど、荀彧は怒ったんだと思うんですよ。

「コラ!!!💢」と。

「私の友人ならそんなことするな!」と。

止めてくれるのが本当の友達です。

曹操は間違いなく荀彧の綺麗な所も好きだったんじゃないかと。
私が荀彧の瞳とかを綺麗に書きがちなのは、
そういう荀彧の瞳が親し気に生き生きと自分を見てくれると、曹操は自分を肯定出来たし、嬉しかったし、正しいことをしよう、と思えたんじゃないかと思うからなのです。

⑧。これもすごく気に入っています。
史実では荀彧は未来に希望が持てなくなって死を選んだような気がするけど、
曹丕は父親の理不尽な排撃にも負けず、跡を継ぎました。
曹操は曹丕に結局は後を任せたのです。

曹丕には苦しみを飲み込んで花を咲かせる強さがあると私は思っているので、

彼が荀彧の未来の希望になってくれたら嬉しいなと思っているわけです。

アニメで言うたらこの回のエンディングから曹操陣営にいた荀彧が曹丕陣営が映る所に移動しているみたいな仕掛けを是非作って欲しいですね。

曹丕は父親の持っていたものを受け継いだのです。

そう。すなわち荀彧もその一つということですね。

これからうちの陣容は

曹操の側に夏侯惇、夏侯淵。

曹丕の側に司馬懿、賈詡、荀攸、荀彧が付くことになります。

郭嘉は完全に曹操の腹心ですが、でも魏の為に曹丕に尽力は惜しみません。

郭嘉の目的は曹丕を利用して天下統一をし、それを曹操に見せること。

そういう意味では曹操側の人間と言っていいかもしれませんが、極めて流動的です。

郭嘉が絶対的に裏切らないのは曹操だけ。
戦いたくないと思っているのは荀彧だけ。

うちの郭嘉が明確なのはこの二点だけ。

場合によっては曹丕の許にいる荀彧と戦うことになる可能性はありますが、
でも「戦いたくない」とこの世で唯一思っているのが荀彧だけ。
あとの人間は利害が一致しないなら賈詡だろうと司馬懿だろうと戦うのが郭嘉です。

普段は怜悧冷徹な理論で動きますが、
多分魏の軍師の中で一番感受性豊かなのが郭嘉なので、
時折感情で動くことがあり、そういう意味では非常に読めず、動きが神出鬼没。

一つ書いておくと今現在司馬懿との関係性は良好ですが、

この先陸遜と徐庶が強く惹かれ合うようになると、司馬懿の行動が少し変になります。
徐庶の排撃に動くようになり、それが郭嘉の逆鱗に触れます。
郭嘉は徐庶が能力を発揮しなかったり、蜀に肩入れするならば、司馬懿がどう彼を排撃しようとそれでいいと思いますが、徐庶は任務を果たして、許可される形で退任し【水鏡荘】に行くことを夢見て真面目に働いているので、「感情」で司馬懿が徐庶を排撃しているのを知った時に、
戦いたくても重病で戦えなかった赤壁を経験している郭嘉は、その司馬懿の身勝手さが耐え難く、激怒します。

理由もなく魏に尽くしている人間を排撃するなど、
私が徐庶ならお前を殺してた!!! というくらい激怒して、司馬懿を黙らせます。

このあたりから郭嘉は少し曹丕と距離を置くようになり、極めて単独行動で動くようになりますね。誰に仕えるとかではなく、興味ある戦線に勝手に赴くようになります。

そう。今陸遜が魏に行っていろんな人たちと出会っていますが、それを今度は郭嘉に蜀や呉にやってもらいたいのです😊

色んな場所に行って、色んな人を見てほしい。

いずれにせよ、荀彧が動いたことにより、曹丕と曹操のパワーバランスに大きな変動が起きるわけですね。

⑨。

私の大好きな良作海外ドラマで、あるキャラがこんなことを言います。

「どんなコンビにも終わりは来る」

捜査もので異動によってバディが解消する時に、一人の方がなかなか言い出せなくて、言ったら揉めるかなとかショックを受けるかなとか心配したんですが、その相方が思いの外ちゃんと冷静に受け止めてくれて、こう言ってくれるのです。

シンプルだけど、私はいい言葉だなあと思って。

私も仕事とかは「学生の仲良しサークル」じゃないんだから、場合によっては「どんなコンビにも終わりは来る」の言葉を大事にして、別れは明るく、次に繋がっていくように前向きにいつでも捉えようと思うようになりました。

曹操と荀彧も、今生の別れなどではなく、コンビ解散です。

お互いの目標が変わって来たのです。

曹操は突き進み続けることを望み、

荀彧はここらで一度立ち止まり、少しペースを落として歩きたくなったのです。

このエピソードがそもそも「悲しい別れを補填したい」と願いから生まれました。

だからラストも暗く悲しくはしたくなかった。





別れは決定的になったけど。




心が死なない限り、人はまたきっと笑えるようになる。


これはもう話自体がお気に入りで……決めらんねええええええええええええええええ!!!!!!!!!😇

くじ引きで決めていいよもう!!!

どれも素晴らしいもの!!!

曹操と荀彧使ってこんな話作ってくれるの私しかいねえ!!!✨

全部いい!!

言うてても決まらんからな!!

⑦にしとくか!!

⑦だ!!

_____________

⑦
曹操
 曹操は小さい頃「正しさ」を、教えてくれる存在が誰もいなかった。
 ……本当に正しく生きることや、清廉であることの大切さは、
 荀彧に出会ってから教えられた。

____________

他人でも、とても大切なことを教えてくれる人が時折います。

曹操は荀彧に出会って本当に色んな素晴らしいかけがえのないものを教えてもらったと思うのです。

大切な友。

ずっとそうあって欲しいことだけは確か。🌈

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