登場人物が増えてきたのと、系図が今後重要になってきますので、
補足したいと思い、noteに記事を掲載しました。
近況ノートではどうしても、画像の添付がつらく。。。
神功皇后の母親(=息長宿禰王)の妻の謎
https://note.com/pane_melone/n/ndda7ef61e181【以下、noteより転載】
氷室冴子さんの「銀の海金の大地」が復刻されていますね!古代を彷彿とさせる名作で、大変喜ばしい限りです。
神話・伝説好きに加え、長岡良子さんの日本古代ロマンシリーズで日本古代史へのあこがれを強くした私にとって「銀の海金の大地」はまさに大好物でした。それが昂じて大学もそっち方面に進み、いま神功皇后の物語を書こうというのは、厨二病健在、というところでしょうか。
閑話休題。神功皇后の父親は前掲の写真にあるとおり、和邇筋(日子坐と息長の血筋)で、(大和豪族でも有力な)葛城氏の高額比売のもとに通っている抜け目ない王子、として描かれています。この二人の間に生まれたのが、神功皇后=息長帯比売命ですね。
葛城高額比売は、古事記にも日本書紀にも、神功皇后の母親として明記されています。
氣長足姫尊、稚日本根子彦大日々天皇之曾孫、氣長宿禰王之女也、母曰葛城高顙媛。(日本書紀巻第9)
古事記では、応神天皇の段の後半、アメノヒボコの血筋のあたりに記載されています。一見して、あの名豪族葛城氏に連なると見えますが、系図を整理してみると、葛城氏とまったく関係がないことが判明、なぜ、「葛城の」高額比売とされているのか。
添付画像の系図のとおり、どう見ても葛城氏の血を引いていなさそうです。しかし人名の最初についているのが土地名なのは明白ですので、このイレギュラーはなぜこのようになっているのか。葛城氏は武内宿禰(建内、竹内とも)の後裔氏族で、興隆するのはこのあとです。天武朝の作意・創作の可能性もありますが、天武朝では力を失っている葛城氏をここに紛れ込ませる必要があるのでしょうか。
高額比売の母の血筋は福井県三方郡美浜町菅浜にあり
福井県三方郡美浜町菅浜に須可麻神社という神社があります。こちらの御祭神が、菅竈由良度美姫。高額比売の母親です。兄弟の酢鹿之諸男も“すが”ですし、清日子はきよひこではなく、“すがびこ”と読むのが順当でしょう。ここまで周辺を多遅摩、菅氏に囲まれて、なぜ突然葛城なのか。
強いて言えば、怪しいのは当摩之咩斐(たぎまのめひ)。高額比売の祖母に当たる方ですが、奈良県は葛城市に當麻という地名がありまして(當麻寺で有名)。当摩之咩斐の系譜(父母)は未詳なので、この地の豪族の比売であれば、ギリ、「葛城」を名乗っても、問題ないかなあ……というところ。
なお、当摩之咩斐をまつる神社はあるようですが、上記の須可麻神社ほど、「ここ!」という決め手はなさそうです。
神功皇后幻想では、記紀の記載を重視し、このような推測に基づいて、葛城高額比売は當麻の郷の女首長だった、という設定にしました。
どうぞ引き続き古代ロマンをお楽しみいただければと思います。