https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16818622174636051413
そんなわけで第十八話です(今回は遅刻しなかったぞ!)
今回はまるっと投石競技会のお話です。
オークたちに投石器(スリング)を伝えたのは、ユニと同行していたゴードンでした。
彼は現在でこそ第四軍の将官で、アスカの夫(そう呼ばれることには同情します)なのですが、当時はベテランの傭兵でした。
傭兵の主任務は商隊の護衛で、荷物を略奪しようと襲ってくる野盗と戦うことになります。
大抵の場合、野盗の方が人数が多いので、遠距離のうちに敵の数を減らすことが肝要となります。
投石器はこうした場面でうってつけの武器で、その辺に転がっている石ころで弾を補充できるのも、大きな利点です。
そんなわけで、傭兵は投石器の扱いに慣れている者が多かったのです。
ゴードンから使い方を教えられたオークたちは、目覚ましい上達を果たしました。
本文でも書いていますが、彼らは腕が長く筋力が発達しているので、投擲に向いているのです。
「進撃の巨人」に登場する、獣の巨人をイメージすると分かりやすいかもしれません。
当初はゴブリン軍と戦うための武器として教わった投石技術ですが、やがてオークたちは、これが狩りにも役立つことに気づきます。
その結果、狩りの成功率が飛躍的に向上し、食糧事情が好転したことで、爆発的な人口増加期を迎えたことは、これまで本文で説明したとおりです。
当然、オークたちは技術の向上に熱心に取り組むこととなります。
最初は必要に迫られて始まったことですが、投石技術を競う試合が娯楽へと変化します。
そもそもオークの社会には娯楽が乏しいのです。
一応、歌や踊りはあるのですが、これらが特定の行事と結びついているのに対し、投石競技は数人が集まれば、いつでも開くことができます。
今回の冒頭で説明しているように、密林オークの村の外縁には、住宅地にするための空き地が山ほどあります。
これらは現状、丸太の乾燥場に過ぎないので、安全に競技が行えます。
そのため、子どもから大人まで、大小のさまざまな競技会が、最低でも週に一回は行われ、村人たちの大きな楽しみとなっています。
今回、たまたまシルヴィアが遭遇した競技会は、村をあげたチャンピオンシップみたいなもので、千人以上の観客を集める大がかりなものです。
特に、若者にとっては自分の実力を大人たちにアピールし、認めてもらうための大事な場です。
これで好成績を残した者は、村の戦士団から誘われますから、家族や親戚一同が応援に駆けつけ、本人以上に大興奮することになります。
投石器が先進各国で廃れてしまったのは、集団戦に向かないためです。
遠距離戦では、弓矢は斜め上に向け、放物線を描くように放つことになるので、密集していても問題はありません。
むしろ、密集して矢を放つことで、殺傷力を倍増させることができます。
これに対して投石器は、左右の間隔も必要ですが、前に人がいる状態では、危険すぎて使用できないのです。
あとは、弓矢が馬上でも使える(ただし、飛距離が小さい短弓)のに対し、投石器はそれができません。
しかし、もともと集団戦が苦手なオークにとっては、こうした欠点が表れにくいのです。
さて、予想はしていましたが、やっぱり話が進みませんw
変だなぁ、今回でオーク戦士団と第四軍防衛部隊が会見する予定だったのに……ww
次回も停滞しそうな予感がびんびんしますが……どうかお楽しみに!