https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16818622174020368612
そんなわけで第十五話です。
歓迎会転じてユニの追悼宴会が始まります。
王の食糧庫から供出される食材は、オークの主食である肉類が主となっています。
大量の塩漬け肉、ハムやソーセージといった加工品、燻製や干し肉などです。
それからチーズなどの乳製品、酒、甘いお菓子です。
本文でも触れていますが、酒は基本的に禁止されています(王や幹部などの特権階級は別)。
他の食材と一緒で、酒もルカ大公国の商人から購入しています。
オークは本来酒好きなのですが、泥酔すると暴れる者が続出する恐れがあります。
そのため、度数の高い蒸留酒(ケルトニア酒や焼酎)は輸入禁止で、甘みのあって、度数も低い(10%前後)どぶろくが好まれています。
シルヴィアたちは賓客ですから、その前にはさまざまな料理が運ばれてきました。
オークにも皿(素焼きの陶器や木製)は存在しますが、大きな葉っぱの上に並べられ、床に直置きとなります。
彼らにとっては大変なご馳走ですが、人間にとってはさほど珍しくもない食材です。
しかも、オークはあまり複雑な調理技術を持っていません。
肉は焼き、野菜や果実は生、料理らしい料理といえばスープですが、肉と野菜を薄い塩味で煮ただけのものなので、人間には物足りません。
したがって、シルヴィアたちの食はあまりすすみませんでした。
酒も、シルヴィアがたしなむ程度で、カー君(キャミイ)は一滴も呑みません。
フェイはかなり酒好きで強いのですが、いつ急患があるか分からないので、基本的には避けています。
タイトルとなっている亡者踊りは、日本各地の盆踊りで行われ、死者の魂を慰める目的だと言われています。
踊り手が鳥追笠や頭巾で顔を隠すのも、死者に扮して故人の魂を迎えるためだと言われています。
今回のオークの踊りのモデルとなっているのは、西馬音内(にしもない)盆踊りで、顔を隠す布は彦三(ひこさ)頭巾と言われるものです。
オークたちが使う楽器は、太鼓や瓢箪、木製の横笛です。
これにラップのような即興歌(日本でいえば甚句に当たります)が加わります。
踊り手は決まっていなくて、自由に参加して疲れたら輪から外れるといった感じです。
ただ、踊りが始まったばかりでは、若者や子どもといった初心者が多く、観客から喝采を浴びるような上手い踊り手は、深夜になってから登場するのが習わしです。
というわけで、次回もはいよいよ交渉が始まります。
今回の王の演説で、彼はシルヴィアたちの目的について「予想がついている」と言っていました。
果たして、提案はすんなりと通るのか、どうかお楽しみに!