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愛と幻想のファシズム(村上龍)

一つの時代が終わったことを自覚しなければならないのかも知れない。
安定した世界はもうない。

世界は今、冷戦が崩壊してからNew World Order(新世界秩序)が成り立つまでの変革期に入っているのだと思う。

そこは弱肉強食であり、適者のみが生き残る狩猟社会の世界。
そんな世界を40年前に予言していた村上龍の小説。
※※※
愛と幻想のファシズム
政治結社「狩猟社」党首 鈴原冬二

 生態系から外れた、自分だけでは生きていけない弱い奴が多すぎる。
 殺すべきだ。
 子供の頃に殺されなかった運、病気に打ち勝つ体、殺し合いに生き残る力、その三つがなければ弱者だ。

 弱者の犠牲になるな。
 弱者が我々を搾取している。

 世界は強い人間達のものだ。
 団結しなければならない。
※※※

自分が狩る側か狩られる側かより先に、このような考えにも不思議な魅力を感じることを認めなければならない。

この小説に出てくる、鈴原冬二(スズハラトウジ)と相田剣介(アイダケンスケ)は新世紀エヴァンゲリオンの登場人物の名前にもなっている。

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