私はゆきと海岸にいた。そう、叫ぶ為である。
『ジャージのバカやろう……』
校内のジャージ姿でWバーガーにて朱次と会ったら『ダサ』と言われたのだ。
私の声は誰も居ない海に響く。
あああ、ゆきがジト目でこちらを見ている。
イカン、嫌な予感しかしない。
「楽しい?」
保護者として付いて来たゆきは冷たい言葉を呟く。
これではジャージ姿でデートに行った程にダサいシチュエーションだ。
しかし、今の時代は逆に受けるかもしれない。
「ヤーチューブにアップしたらバズるかな?」
「……」
ゴメンなさい、ゴメンなさい。
心の中でゆきに謝罪する。
よし、ここはゆきと百合、百合展開だ。
「慰めてくれるなら、素直に泣いて良い?」
「私のムネでお泣き」
「はい、お姉さま」
私は優しい言葉に感動してゆきに近づくとその胸に顔を埋める。
おおお、百合展開だ。
「きもい、ホントに抱きつくな」
ゆきは恥ずかしそうに怒る。
「うぅ、うぅ、ヒドイ……慰めくれると言ったのに……」
「仕方ないな、お泣き」
「ありがとう♪」
思わず、♪がでるのであった。そして、ゆきの胸をもみもみする。
う、う、柔らかい。
「揉むな、きもい」
「ゴメン、天使の様なお姉さまなら許してくれると思って」
「もう、仕方ない、子猫ちゃん」
「ありがとう♪♪♪」
私が更にゆきの胸に埋まろうとすると。
『ミミミミミ』
突然、スマホのアラームが鳴り響く。
「あ、時間だ」
ゆきは私から離れて、スマホを取り出し、真剣な顔でゲームを始める。
そう、ゆきは時間指定系のスマホゲーにハマっているのだ。
独りぼっちになった私は『ヒドイよ~ヒドイよ~』と嘆くのであった。