森新児

今回オスカーがかつて弟子のイオリに伝えた教訓が出てきます。
その筆頭が

「体は鍛えるものではなくいたわるもの」

です。
いい教えだと思います。
「イオリのように十代のころこの教えを聞いていたら、自分の人生変わったかもな」
とも思います。
自分があまりイオリの特訓シーンを書かないのも、この教えを肝に銘じているからです。
人間は鍛えることより休むことの方がはるかに大事です。
もっともそういうことが書いてあるチャンバラ小説は、たぶんないでしょうが（苦笑）。

実はこれは作家の京極夏彦さんが学生相手の講演で語った言葉です。
ツイッターでたまたま見かけ、いい言葉だと思ってメモしました。
それを今回借用しました。

……とのんきに感心していたら、自分が感銘を受けた言葉が語られた京極さんの講演が、ユーチューブにアップされていました。
今どきこれほど滋味豊かな語り口を持つ作家は京極さんのほかにいないと思います。
前後編合わせて二十分ほどですが、おもしろい講演です。
京極さん、たぶん落語もお好きだと思います。
ぜひご覧ください。


【京極夏彦】人類最大の発明「言葉」で地獄を楽しむ方法 [前編]【17歳の特別教室】
https://www.youtube.com/watch?v=BAEuuBhLgzs

【京極夏彦】人類最大の発明「言葉」で地獄を楽しむ方法 [後編]【17歳の特別教室】
https://www.youtube.com/watch?v=tqGkrEeE-x4

『アガルタのイオリ』第80話　愛のゆくえ
https://kakuyomu.jp/works/16818622176421206781/episodes/16818792437684850393