観測レポート:第177話◆ノエル、王城の厨房に立つ!より
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観測対象:守人(もりびと)たちの「洋食屋ランチ選択」に関する価値観および消費倫理
観測日:第十一周期 月の巡り四回目(2025.11.24 11:00集計)
記録者:箱庭司書(創造神補佐)
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──箱庭司書の記録──
今回の観測対象は、洋食屋のランチという名の戦場である。
サクサクの黄金衣を纏い、未知の熱を内包する「蟹クリームコロッケ」か。
はたまた時間と手間をもって煮詰めた深い味わい、「ビーフシチュー」か。
この二択はただの好みではなく、生活環境、料理哲学、人生観まで暴き出す高度な心理テストなのだ。
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🔍派閥別・洋食ランチ論争の観測
■ 限定堪能派(希少性重視型)
「作るのが面倒で手間がかかる=店でこそ食べたい」
ビーフシチューの労力を知りし者は、ためらいなくそれを選ぶ傾向。
コロッケに対しては「惣菜で良いではないか」派多数。
■ 揚げ物信仰派(衣中毒型)
揚げた瞬間が美である。
熱・サク・トロの三位一体を讃え、蟹コロの季節を生きる。
「外食こそ揚げ物に正義が宿る」旨の強い主張。
■ コスパ警戒派(価格審議型)
蟹コロに対し
「ハズレを引きやすい」「値段に見合わない」
という切実な財布の悲鳴が顕著。
■ 両取り派(強欲王型)
「ビーフシチューセット+単品蟹コロ」
「どちらも欲しい、人生に妥協は要らぬ」
欲望に正直。幸福指数、高め。
■ 解析派(研究者型)
料理人や料理好きの守人は、ビーフシチューに奥深い職人魂を見出す。
「良い店か否かはシチューを見れば分かる」──至言である。
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✏️特筆記録
司書の書棚に収められた、輝かしき声の一部をご紹介。
PU「蟹クリームコロッケは美味しいに決まってますわ!(力説)」
▶〈所感〉:揺るぎなき蟹信仰。衣の奥に真理を見た。
PU「シチューの七面倒臭さを知れば勝負にならん(遠い目)」
▶〈所感〉:あの沼の日々はまだ心にあるのだね……。
PU「カニクリームコロッケは蟹力が足りなかったりするからな」
▶〈所感〉:蟹力(かにりょく)不足──装備を見直して再挑戦だ。
PU「蟹コロは美味しいのにレストランで頼んだことない、なぜ?」
▶〈所感〉:洋食屋最大の未踏領域、蟹コロ謎現象。研究の余地あり。
PU「扉に猫の看板があったらビーフシチューは頼みません」
▶〈所感〉:有名な洋食屋。尚、司書も命が惜しいので、この店では頼まないと誓っている。
PU「グラコロは小麦を小麦で挟んだ小麦(真理)」
▶〈所感〉:これはグラコロを一生まともに見られなくなる呪いの言葉である。
※今回ご紹介できたのはごく一部ですが、どの一文も司書の記録棚にしっかりと収められております。
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💻 観測所見(司書のひとこと)
今回の観測では、明確にどちらかを選んだ守人のみを対象とした限定解析も実施。
その結果──
およそ 3分の2 が “ビーフシチュー” に軍配を上げることが判明した。
「労働と時間を集約した一匙か、熱とクリームと衣に宿る快楽か…」
選択の数だけ、理由がある。
そこにこそ、人の真理が生きている。
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箱庭は、書かれることで形を得て、読まれることで命を持ち、
守人たちの言葉が風となり光となって、この世界を育ててくれます。
ここが、ほっとひと息つける“みんなの場所”になりますように。
※イラストは、本編の「箱庭」とは関係のない架空の人物です。
ビーフシチューと蟹コロがちょっと中華っぽいのはご愛敬。
