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角々三角形さま用ノート その②


 本ノートは角々三角形さまとのやり取りのために作成したノートです。

 他の方の閲覧は自由です。
 またコメントの書き込みも制限いたしませんが、内容は「私が間違ったこと(激しく偏ったこと)を言ってしまった場合の指摘のみ」とさせて頂きます。
 申し訳ありませんが本件と関係のないことはもちろん、アドバイスなどの意見も控えて頂きますようお願いします。
 「船頭多くして船山に上る」と申しますので。(あまりに意見が多いと、混乱してしまうのではと判断いたしました)



 少し長くなりましたので、新たにノートを作成します。
 コメント欄よりもこちらの方が見やすいと思いますので。

 まずは前回に頂いたコメントへのお返事から書いてまいりますね。
 最初に「読解力がないのが作家として致命的」と仰っておられましたが、これは「私との会話」での出来事ですから「私の伝え方が悪かった」のかも知れません。
 「小説の読解」とは別物ですし、悩まれる必要はないかと思います。

 それに「読解力がないのが、作家として致命的」とも思いませんね。
 私見ですが、読解力は鍛えることができると思います。
 さらに言うなら、純文学などであれば深い知識と優れた感性が読み手に求められることもあるようですが、ラノベに代表されるエンタメ小説程度に必要な読解力ならある程度の知識と感性で十分かと思いますね。(私はこれがないために、純文学が理解できませんしw)

 それよりも「作家として致命的なもの」があるとするなら、「諦めてしまうこと」ですね。筆を折ってしまったら、そこでお終いです。
 「筆を折らない」「最後まで書ききってみせる」と仰られた、そのお心を忘れなければ大成の可能性は残り続けます。


 次にですが、「リアルな思考ってノイズまじるんですよね……」と仰られましたね。
 最初は、私には仰られた言葉の意味が理解できませんでした。
 しかし見せて頂いた『暗殺者』のお話を読んで理解できました。

 『暗殺者』の作品は三人称で書かれていますよね。
 対して『召喚勇者』の方は一人称でした。

 一部、『暗殺者』の方でも「迂遠で冗長な、分かりにくい文章」もありましたが、その比率は『召喚勇者』よりも圧倒的に少ないと感じました。
 『暗殺者』の方が読みやすかったんです。

 恐らくですが、理由は「一人称と三人称の違い」ではないかと思います。
 私は、一人称の『召喚勇者』では主人公の思考がとっ散らかっているように感じ、それが非常に読みにくいと感じました。たぶん、角々三角形さまの仰る「ノイズ」とはコレではないかと。

 これも推測ですが「主人公が、その場その場で思っていることをそのまま文章にしている」から、とっ散らかるのだと思います。
 必要なのは「主人公の全てを見せること」ではなく「読者に伝えたいことを、主人公で表現すること」だと、私は考えております。
 逆に言えば「読者に伝えなくても良いことを書くのは、ただの冗長な表現」だと言えると思いますね。

 一人称だからと「主人公目線で起きたこと・感じたことを書く」のではなく、まずは「読者に伝えるべきこと」を考えて、「それを主人公目線で書く」のが重要ではないかと。
 仰る通り「リアルな思考」なんて雑念だらけですから、そんなものをそのまま文章に起こしても面白いハズがありません。


 恐らくは一人称で書いたが故の問題だと思いますので、仮に三人称に書き直せば『召喚勇者』の方も読みやすくなるかもしれません。
 しかしそれをするのは多大な労力がかかりますし、なにより作品自体にも「一人称向きの作品」と「三人称向きの作品」があるために気軽な変更はお勧めしません。
 余談ですが、少し前に私は「一人称の作品を三人称に書き直し」をして3万文字以上を書いた末に、三人称版をボツにしました。

 それに今後の創作活動のことを考えれば、一人称と三人称のどちらも書けた方が良いとも思います。
 どちらか一方だけでは作品の幅が狭まるかと思いますからね。


 では、ここでオーダーのあった「序盤のリライト」を載せさせて頂きます。
 ただお断りしておきますが、私の文章力も大したものではありません。(私の尊敬する方から、再三「冗長」だと指摘されておりますw)
 それと、あくまで「私の修正案」ですので、作者である角々三角形さまが「絶対に外せない描写を外してしまった」という可能性もあります。
 そのことをご留意ください。

 それでは修正の範囲は「主人公が目覚めてから、犬人間にぶつかるまで」です。
――――――――――――――――――
「ん……まぶし……。もう朝……って、うぉわっ!?」

 目が覚めるとそこは、外国の街の中だった。

 ベッドで寝ていたはずの俺の身体は直立状態で立っていて、得も言われぬ浮遊感で《《たたら》》を踏む。
 そのままバランスを崩した俺は、後ろにいた誰かにぶつかってしまった。

「あっ、すみませ……ぎゃあぁぁぁぁっ!?」

 俺がぶつかったその人の顔は、完全に「犬」だった。
――――――――――――――――――
 文章量は約1/3になっております。
 私が御作を読んで「読者に伝えなければならない情報だけ」を抜き出すとこうなりました。(「引きこもり」という情報は悩みましたが、この書き出しならばもう少し後でも問題ないかと)
 まぁ御作をベースにしてますので、本当に私が書くなら書き出しから変更となるかも知れませんがね。


 文章について、もう1つ重要なことをお伝えします。
 それは「情報の圧縮」です。「文章の圧縮」と言い換えても良いですが。

 仮に「同じストーリー」が2つあり、それぞれ「少ない文字数」と「多い文字数」であるならば、「少ない文字数」の作品の方が基本的に優れています。
 文字数が多いということは、「展開が進むのが遅い」ということですから。こちらも言い換えるなら「内容が薄い」となります。

 昨日のノート(その①)でお伝えしたことは覚えておいでですよね?
 読者の心を掴むためには、いち早く「作品の面白さ」を伝えなければなりません。
 展開が早いのと遅いの、内容が濃いのと薄いの、どちらが良いかなんて言うまでもありませんよね?



 さて、ここからは余談になります。
 昨日に見せて頂いた『暗殺者の作品』ですが、先ほども申し上げた通り『召喚勇者』よりは読みやすかったです。
 読みにくかった部分は「短文がいくつか」がありましたが、それ以外に「視点」が分かりづらかったですね。

 物語の冒頭が「追われる男の説明」から始まりますよね。
 ですがあっという間に「ロインの視点」に変わります。

 読者は最初に「追われる男」に注目したのに、すぐに「ロイン」に移り変わりますので戸惑ってしまうと感じました。
 それなら最初から「ロイン視点で、追っている男の説明」をした方が分かりやすいと思いますね。

 最後の方の「視点の分かりにくさ」はワザとだと思いますので割愛します。
 また、話の内容自体も割愛させて頂きますね。(ここまでで思ったより長くなりましたのでw)
 「読みにくかった短文」なども、指摘は割愛しましたが必要であれば仰ってください。コメントで書かせて頂きます。

 ただ、最後にこれだけはお伝えしておきます。
 「|た《・》|だ《・》|一《・》|人《・》」と、1字ずつルビで中点を振ってましたが、傍点を振るなら「《《ただ一人》》」と書けばできますよ。w


 今回はこんなものですかね。
 お返事、お待ちしております。

27件のコメント

  • 1つだけ。
    1文字ずつルビで中点をふるのは、『小説家になろう』の方だと傍点の仕様はそれなんですよ。
    この点はカクヨムの方がはるかに優れてる(そもそもルビの機能自体が上回ってる)のですが、当該作はなろうから転記したからそうなっているのかと。
    (逆にカクヨム⇒なろうだと《《》》が反映されないのでいちいち書き換えないとならない)
  • 和泉将樹@猫部さま、ご指摘ありがとうございます。

    マジですかっ!?
    試してみたら……ホントだっ!

    一応「なろう」にも投稿してたのに知りませんでした。
    これはポカしちゃいましたねぇ。ww
    早めに教えて頂き、ありがとうございます。
  • いえ!
    違いますよ!
    プロットもできちゃいない話をネットに公開はしませんって!汗

    私、作家専用のツールアプリを使って執筆しているのですが、そこのツールでこの文を・文にして!ってやると、自動でこうなります。

    便利ですよ、名前は伏せますが。
    検索すると出てきます。

    ノラ(ง ´~` )วノラ
  • で、内容についてですが。
    何ということでしょう......
    読みやすくしないほうが良かったとは......
    もう何もかも裏目に出ている。

    うーむ。
    三人称視点には何があってもできませんが、(作品の展開の都合上)暗殺者のやつを参考に何とか頑張りますかね。

    個人的な理想は無職O生の様な文章ですね。

    軽快で、読みやすく、感情がダイレクトに伝わってくる。
    それでいて、違和感がない。

    ま、まあ、俺は若いのでああいう人生経験が滲んでる文章は書けないと思いますが......(笑)

    リライトの文は非っっっっっっっっっ常に申し訳ないのですが、好みでないです......

    ただ、簡潔にまとめる、ということは理解できました。
    これを自分好みの文に落とし込みます。
    ありがとうございます!
    参考にします!

    ......暗殺者の冗長だと思ったところ、教えていただけるとありがたいです。

    一箇所、見当がついていますが......
    ラストのとこ......
  • あ、星にすると暗殺者の文章力は星何個ですかね......
  • ようやく帰ってきました。
    まず最初にお断りしておきますが、ここから疑問文が続きますが私は怒っているわけではありません。
    あまりにもご返答が不可解でしたので疑問で返すしかありませんでした。


    >読みやすくしないほうが良かったとは......

    そんなワケないでしょう。なぜ、そのような結論に至ったのか理解に苦しみます。

    まさか「『暗殺者』は、ワザと読みにくく書いた」とでも仰るのですか? それなら、このような結論に至ったのも分かります。
    ですが、もしそうなら何のために「ワザと読みにくく書く」などということをされたのですか?

    私の話のどこを見て、「読みやすく書かない方が良かった」などという結論を出したのかを教えてください。


    そして、角々三角形さまの理想とされる文章が『無職〇生』のような文章だということは分かりましたが……残念ながら、私が『無職〇生』を読んだのは執筆を開始するずっと前であり、どのような文章であったかを覚えておりません。

    もう少し、理想の文章とはどのようなものかを「具体的に」お教えください。
    「軽快で、読みやすく、感情がダイレクトに伝わってきて、それでいて違和感がない文章」なんて、「良い文章を書きたい」と言っているのと変わりません。
    自分が目指すべき方向を「具体的に」定めましょう。

    私がリライトした文章を「好きではない」と仰るということは、逆に言えば「好きな文章」があるのでしょう?
    それが目指すべき方向かと思います。


    『暗殺者』の「読みにくかった文章の抜き出し」については、今から取り掛かりますのでしばらくお待ちください。

    『激辛批評』の基準では、『暗殺者』の文章の評価は★1です。
  • わかりにくい言い方をしてしまい、申し訳ありません。

    意図的に読みやすくしようとして書いた文(召喚勇者)よりも、普通に書いた文(暗殺者)のほうが読みやすかったことがショックだった、ということですね。

    結論ではありませんよ......
    現状の自分の空回りっぷりを嘆いているだけです。

    技量を身につけ、ちゃんと読みやすい一人称をかけるようになりたい、という思いでいますよ。
    何だ、読みやすくしようと思って書かなくていいんだ、ではなく。

    いつも読みやすい文章は心がけていますが、その中でも特に軽快ですっと入ってきやすい文を意識していた(事実、作者は読みやすいと思っていた)ものが、そうでないものより読みにくかった、ということにショックを覚えたという意味です。

    す、すいません。
    言葉が足りませんでしたね......


    そして、理想の文......
    言語化が難しいですが......

    面白い、実在する人物の思考ですかね......
    語彙力がないのですが......あ〜、どう言えばいいんでしょうか。

    心情多めで、口語体で思考を書きたいですね。
    神の視点?俯瞰視点?はできる限り減らす感じで......
    読んでいると、登場人物になったかのように思える文、ですかね。
    リアルに存在している人物の思考(余計な情報が少なく、読んでいて面白い)かのような文、ですかね。

    う〜、理想の言語化ってかなり大変ですね。
  • 恐らくなのですが、ボルコム様にとって要らない、と判断されている情報の含まれていない思考の部分が、読んでいてくすっと笑えたり、要らない、と判断されない様な、キャラの深堀りになる心情等として書けると理想の文、ですかね......
  • これも要領を得ない返答かもしれないですね、すみません。
  • なるほど……。
    こうしてお話しをすることで、角々三角形さまの問題点が分かってきました。

    失礼ながら角々三角形さまは「自分の気持ちや考えを伝える」のが不得手なのかと感じました。
    そして、その原因は「思ったことをそのまま伝えようとするから」だと思われます。

    昨日、私がコメント欄で言ったことは覚えてらっしゃいますか?
    「『ただ思いついた言葉を並べるだけ』の無秩序な文章では伝わらない」ということです。
    相手に伝えるためには「何を伝えたいのか?」「どう伝えればよいのか?」を考えて整える必要があります。

    そして角々三角形さまの書かれる「一人称」も同じです。
    主人公が思ったこと・感じたことを無秩序に並べ立てられているので、読者は「作者が何を伝えたいのか?」が分かりにくいのです。


    そして「言語化」は頑張ってください。
    私は、これを「できなくても良い」とは決して言いません。

    なぜなら、私たちがやらなければならないことは「物語を、キャラを言語で表現すること」なのですから。
    自分の考えすら言語化できない人間が、キャラの心情を言語化できますか?
    厳しいことを申し上げますが、できるようになってください。


    それとリライトに関してですが、少し傷つくことを申し上げさせて頂きます。
    私は御作の冒頭シーンに「面白さ」を微塵も感じることはできませんでした。ですので「状況の説明以外は全て不要なもの」として削ぎ落とさせて頂きました。
    これも昨日に言わせて頂きましたが、「物語序盤で余計なことを書く余裕はない」ですから。

    これが不満でしたら、仰られるような「くすっと笑えるような文章」を冒頭シーンに入れるしかありません。
  • ボルコム様のエンジンがかかってきた......
    そろそろ傷薬を用意しますね。笑

    確かにそうですね。
    俺、日常生活でも割とこういうことある気がします。
    意図を的確に伝える会話ができるよう、日頃から気をつけてみます。
    トレーニングだと思って......

    ああ、あと冒頭が面白くない、と言うのはそのとおりですね。
    掴みとなるものがないですもんね。俺、文章力も人並かそれ以下ですし。

    ですが物語の構造上、読者を掴みやすいと言われているグロエロギャグのどれもプロローグの展開に入れられそうもない......

    うーむ。

    ......考えたのですが、八話の展開をプロローグでちょい見せ、とかどうでしょうかね?
    リOロの様に、絶望で掴む感じで......
    良さそうですかね......

    グロですし。
    ご意見下さい。
  • あと、今後、夜にお話しすることが多くなると思いますので、お伝えしておきます。
    私の就寝時間は基本的に十一時より前なので、それ以降は返信ができないことが多いです......笑

    物凄く夜ふかしに弱い人間なので......私......笑
    翌日ひどいことになるんです、夜ふかしすると。

    ごめんなさい......
    ご迷惑をおかけします。

    本日はあと十分ぐらい起きているつもりです。
  • もうお休みですかね?

    「日頃から気をつけてみます」というのは良いですね。
    日常会話でも気を付けることで、間違いなく鍛えられるかと思います。
    私も若いころは上手く話せていなかった気もしますので、トレーニングは重要だと思いますよ。


    そして冒頭ですが、私がリライトしたシーンは「起きたら異世界で、犬人間にぶつかった」というだけですので、ここに面白さを出そうとするならギャグにするしかないかと思います。
    御作はギャグ作品ではありませんので、これは無理ですね。
    根本的なシーン構成を変更しない限り、ここで「面白さ」を見せるのは難しいですね。
    それこそ「文章力だけ」で面白いと感じさせるくらいでないと。(私には無理です)

    そして「8話をチョイ見せ」ですが……。
    「ご意見ください」とも仰られましたが、今は意見を差し控えます。

    理由は「まだストーリー構成・シーン構成の、具体的な話の段階ではない」と考えているからです。
    まずは「私のストーリー構成の考え方」をお伝えしてからでないと、誤解したまま伝わる可能性もあるかと思います。
    そうなってしまえば角々三角形さまにも余計な手間を与えることになりかねません。

    慌てずに、順番に行きましょう。


    それと、返信の件はお気になさらずに。
    私も自分の都合や仕事がありますし、毎日変身できるとも限りません。(なるべく当日中に返そうとは思いますが)

    コメント欄では返信もしづらいですし、1~2日くらい返信が遅れても構いませんよ。
    私も遅れるかも知れませんし。
  • 横から別の話題を突っ込むと怒られそうですが……

    三鞘ボルコム様のリライトで

    ――――――――――――――――――
    「ん……まぶし……。もう朝……って、うぉわっ!?」

     目が覚めるとそこは、外国の街の中だった。

     ベッドで寝ていたはずの俺の身体は直立状態で立っていて、得も言われぬ浮遊感で《《たたら》》を踏む。
     そのままバランスを崩した俺は、後ろにいた誰かにぶつかってしまった。

    「あっ、すみませ……ぎゃあぁぁぁぁっ!?」

     俺がぶつかったその人の顔は、完全に「犬」だった。
    ――――――――――――――――――

    この中で、二箇所「だった」と過去を表す表現を使われています。


    角々三角形様の元の文章も拝読しましたが、内容的に現在の出来事を書いていると思われます。

    「だった」では、読者によっては過去を回想していると思われる可能性があります。

    文章の中に「踏む」と現在形の部分があるので、三鞘ボルコム様は現在の出来事を書いているのだと私は解釈しました。

    それであれば、

    目覚めた俺の目に、何故か外国の街の風景が飛び込んでくる。

    このように現在形で書いた方が読者にもわかりやすいのではないでしょうか?
  • 『暗殺者』の方の「冗長」「読みにくい」と感じた文章の抜き出しが完了しましたので貼らせて頂きます。
    (就寝前に急ぎで書いたので、不備がありましたらゴメンナサイ)


    ――――――――――――――――――
     建物の明かりや月光が僅かにしか届かない、薄暗く陰鬱な空気を纏うその場所を、四人の男達が歩いている。

     四人と言ったが、厳密には三人と一人と言うのが正しいだろう。
     一人の男を、三人が息を潜めて尾行しているのだ。
    ――――――――――――――――――
    いきなり冒頭から「四人」と言ったのを訂正されると、読者は書いてあることを理解するのに時間がかかります。
    さらに「三人と一人」という書き方も混乱を招く書き方であると感じます。


    ――――――――――――――――――
     追われる側の男は、何ら特徴のない凡庸な人物だ。
     黒髪で中肉中背、着ている黒いボロボロのコートも、少し豪華ではあるものの貧民街の一般的な装いからそう大きく外れるものではない。
     歩き方などの物腰にも、修練を積んだ気配や覇気は無い。
    ――――――――――――――――――
    「着ているコート」のイメージが全く湧きません。
    「ボロボロ」で「少し豪華」で「一般的」ですか?
    書くならしっかりと伝わるように描写すべきかと思いますね。

    また、ここはまだ冒頭で「どんな物語か?」が全く分かっていません。
    この時点で「修練を積んだ気配」という表現は唐突に感じました。


    ――――――――――――――――――
     何よりも、その男は両の手を|衣嚢《ポケット》――膨らんでおらず、見るからに空のそこに突っ込んでいる。
    ――――――――――――――――――
    これは何を伝えたかったんですか?
    「――膨らんでおらず、見るからに空のそこ」が、何を表しているのかが全く分かりません。


    ――――――――――――――――――
     ロインが身につけているサイズの合わないペンダントは、ロインの仲間であった、今は残りの十六人と共に土の下に眠っている男のものだ。
    ――――――――――――――――――
    主語が複数あり、非常に読みにくいです。
    このような場合は、途中で文章を分けた方がよろしいかと思います。


    ――――――――――――――――――
     それでも、ロインにとっては大切な仲間だった。
     彼を殺した人間に殺意を覚える程には、情のある相手であったのだ。
    ――――――――――――――――――
    2行目の「彼」が誰を指しているのかが、直感的に分かりづらいと感じます。
    じっくり読めば分かりますが、「見た瞬間に分かる」くらいの分かりやすさがあった方が良いかと思いますね。


    ――――――――――――――――――
     二人とも顔色が悪く、一人は額に汗すら見え、もう一人は、ロインと同じく銃を握っているであろう、懐に入れている手が微かに震えている。

     二人とも、ロインが無理を言い連れて来た新入りの部下だ。
    ――――――――――――――――――
    分かりにくいというわけではありませんが、冗長ですね。
    この表現が必要なのであれば無理に1文に収めようとせず、「1人1文」として分けて書いた方が良いかもと思います。

    また、「誰に無理を言ったのか」が不明ですね。
    ここではまだ「ロインが何者か」かも不明ですので、本来なら「それを読者に伝えるチャンス」だったかとも思いました。


    ――――――――――――――――――
     殺し屋の体には複数の穴が空いており、コートは大量の血を吸いじっとりと湿り、その上で染み込みきれなかった大量の血が辺りに広がっていた。
    ――――――――――――――――――
    冗長ですね。
    「10数発もの銃弾を受けた」のですから、「体に穴が空いている」のは書かなくても分かります。

    同様に「その上で染み込みきれなかった」という描写も不要に感じます。
    「血が辺りに広がる」ということは、「衣服の外まで溢れている」ということですから書かなくても伝わります。(「コート~」の下りから不要かも知れません)


    ――――――――――――――――――
     ようやく事実として殺し屋の死を受け止めたロインは、ふうっと息を吐いた。
    ――――――――――――――――――
    「事実として」という1文は不要です。
    こうした短い文章の積み重ねが、積み重なって大きな負債となることもあります。


    ――――――――――――――――――
     直後、ありえない、鳴るはずの無い轟音と共に、その胸に弾丸が命中した。
    ――――――――――――――――――
    ここまで三人称一元視点で書かれているのですが、「ありえない」という表現はまるで一人称のように感じられます。
    人称がボヤけると読みにくくなりますね。


    ――――――――――――――――――
     胸には、まるで血液が沸騰しているかのような激痛が走りはじめ、余りの痛みで上体を起こして居られなくなったロインは地面に横倒しに倒れ込んだ。
    ――――――――――――――――――
    ここも冗長ですね。
    短くまとめるか、文章を2つくらいに分けた方が良いかと思います。


    ――――――――――――――――――
     ――何故、自分の真横に今も死体が転がっている、死んだ筈の男がそこに立っているのかも。
    ――――――――――――――――――
    ここはまぁ、「意図的に分かりにくくした」のだと思います。
    いちおう取り上げさせてもらいましたが。


    ――――――――――――――――――
    ――直後、ロインの銃を持っている手に弾丸が撃ち込まれた。
    ――――――――――――――――――
    分かりにくい表現ですね。
    もう少し整えた方が良いかと思います。


    ――――――――――――――――――
     三秒、もがくロインを眺めた男は、仇は、そう言い残し、遠ざかってゆく。
    ――――――――――――――――――
    視点がどこにあるのか分かりづらく、そのために読みにくいですね。
    ここまでも、そしてこの後もロインの視点なのですが、ここだけ「第三者視点」に変わっているかのように感じます。


    ――――――――――――――――――
     涙でぼやけた視界に、服の隙間から微かに覗いている血濡れたそれが映り、ロインは目を見開いた。
     
     粉々に砕け散った、ペンダントだ。
    ――――――――――――――――――
    引っ張りたいのだろうとは思いますが、冗長です。
    無理に「ペンダント」という答えを引っ張ったせいで、分かりにくくなっていると感じます。


    ――――――――――――――――――
     しかし、この出血では、その少しが命を落とす可能性を何倍にも引き上げることが、ロインにはよく分かっていた。
    ――――――――――――――――――
    冗長ですね。もっと短文でまとめられるはずです。


    ――――――――――――――――――
     ――持ち上げつつあった後頭部に、冷たい何かが当たる感触がしたからだ。

     ロインの思考を一瞬で空白が占め、直後、空白の中に一つの疑問が浮かぶ。

     一体、この、冷たいモノは何なのか――

    「反吐が出る」
     
     その疑問の答えは、冷えきった声と、聞き慣れた音と共に訪れた死によって示された。

    /\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/

     殺し屋は銃を男の頭から離し、軽く振って血滴を落とした。
    ――――――――――――――――――
    ここも「意図的」なのだろうとは思います。
    ですが、ここもさっきの「ペンダント」と同じく引っ張りすぎですね。

    また、「/\/\」で仕切られてはいますが、ここは「視点が変わった」ということをもう少し分かりやすい文章で始めた方が良いかと思いますね。
    「そういう仕掛け」だということは理解できますが、それが「面白いかどうか」は別問題です。


    ――――――――――――――――――
     目の前の男が、どれ程の研鑽を――人を殺す為の研鑽を積んできたのかが。
    ――――――――――――――――――
    何で言い直したんですか? ここは地の分ですよ? 一人称でもありませんよ?
    無駄で冗長な表現だと感じます。


    ――――――――――――――――――
     胸にかけているペンダント――赤い血に染り、粉々になっている見覚えのあるそれと、あの尋常ならざる怒気から察するに、殺意の根源は復讐の感情だろう。
    ――――――――――――――――――
    冗長で読みにくいですね。
    せめてもう少しまとめましょう。


    ――――――――――――――――――
     やはり、あんな会社に所属し、まともで居られるはずがない。
    ――――――――――――――――――
    いきなり出てきた「会社」ってなんですか?
    こんなの理解できるわけがないでしょう。


    ――――――――――――――――――
     死後の世界があると言う者もいるが、確かにそれがあると証明できた者が居ない以上、死は終わりである。
    ――――――――――――――――――
    「確かに」という1文は不要ですね。


    ――――――――――――――――――
     人間であるのなら、それが貧民であろうが、平民であろうが、富豪であろうが、権力者であろうが、只人であろうが、天才であろうが、稀人であろうが、不平等な刻に、それでも最後には必ず平等に死が訪れ、終わる。
    ――――――――――――――――――
    「不平等な刻に」は不要な表現だったと思いますね。
    様々な階級の人々を挙げたのですから「平等でない」ということは分かっています。
  • 安珠あんこ様、ご指摘ありがとうございます。

    ですが、ご指摘の内容に関しては「見知らぬ場所にいた」ということなのですから「完了形」もしくは「過去形」で問題ないかと。

    同様に「ぶつかった人物の確認を終えた後」ですので、こちらも「完了形」か「過去形」で問題ないと思います。

    もちろん安珠あんこ様の書き方であれば「現在形」でも問題ないと思いますよ。
  • 三鞘ボルコム様

    「した」であれば現在の動作が完了したので問題ないかと思われます。

    ですが、「だった」という表現には、「過去形」や「完了形」というよりは、「過去完了形」の意味合いが強いかと思われます。

    三鞘ボルコム様のご指摘のとおり、直前の動作や出来事を表すのであれば、完了の意味合いが強い「した」が適切かと思います。

    角々三角形様の元の文章では、完了形の「した」が使われている部分を、わざわざより過去のニュアンスが強い「だった」に書き直すのは、一部の読者に取っては時系列がわかりにくくなる表現かと思われます。
  • 安珠あんこ様、何度も申し訳ありませんが答えは変わりません。

    「だった」でも問題はありません。
    1つ、分かりやすい例文をお見せします。

    「夜空を見上げると、そこに広がっていたのは満天の星空だった」

    こんな雰囲気の文章を読んだことはありませんか?
    ほとんど定型文化している文章ですので、似たようなものをきっとご覧になったことがあるかと思います。

    安珠あんこ様は、この文章でも「『だった』は過去形なので、見上げている最中に出す文章としておかしい」と仰いますかね?
    それが正しいのでしたら、多くの作家は認識を改めなければなりません。
    実際に多くの場面で使われている表現なのですから。


    それと、角々三角形さまの元の文章からの変更について気になされているご様子ですが、あちらでも「犬人間の場面」では「だった」を使われていますよ。


    最後に、ご面倒をおかけしますが本ノートの冒頭に書いてあります「コメントの書き込みへの注意点」を今一度お読みいただき、ご理解をお願いします。
  • ……お礼を言わねばなるまい。
    安珠あんこ様、拙作を読み、拙作の改善の為に力を貸そうとして下さってありがとうございました!

    ち、ちょっと注意点からズレていた様ですが、それでも有難かったです。笑

    多くの人が、俺を助けようとしてくれている……
    ううっ泣
    絶対面白くしなきゃなぁ……!

    作者は現在、第一話のリライトをしています。
    ボルコム様が冗長と仰られそうな部分を減らしつつ、自分の好きな文、理想の文になるよう頑張っております。

    急に文体を変えるのはなかなか難しいですが……
    意外と楽しいですね!

    また、量産テンプレート異世界俺TUEEEE小説だ!……と言われない様、一話の展開を変更しました。

    まだストーリーの構成の段階ではない、と言われていましたが……今のままの第一話だとどうやってもダメだ!ということが分かっているのなら、それをそのまま書き直すよりは、少しでも修正すべきかな、と思いまして……

    ボツにするとは思いますが、そのまま書き直した方が良ければ、今からでもそのままのストーリーでリライトに取り掛からせて頂きます。

    アドバイスを無視してしまい、もしお気を悪くされてしまいましたら、すみません。

    リライトが書けたら、お見せしても宜しいでしょうか?
    また、ここに載せる事になりそうですが……

    ……ボルコム様、コメントも溜まってきましたし、そろそろ三冊目のノートになりますかね?

    なる様でしたら、コメントを控えさせていただきます。

    こんなにコメントが溜まるほど、私を助けてくださってありがとうございます。


    ……最後に一つ。

    ▷▶▷私も自分の都合や仕事がありますし、毎日変身できるとは限りません。

    スーパーボルコム……笑

    クスッと笑いました。
    こういうのを小説に入れたい……笑
  • えっと……すでに改稿をなさってるんですか?
    次はストーリーや設定面のお話をしようとしてました。

    私は「現状の御作」の「序盤のストーリー・設定のいくつか」は大きく変えた方が良いと考えております。
    もし角々三角形さまがそれに従うのであれば、仰る通り「ボツになる」かと思われます。
    二度手間だと思いますね。

    ん~……少し焦りすぎですね。もう少し落ち着いてください。
    チャレンジすることは大事ですが、無暗に動いてもかえって遠回りになりますよ?
    思い付きで行動するよりも、熟考することが角々三角形さまには必要かと。

    リライトした作品を載せるのであれば、カクヨムの「下書き共有機能」を使ってください。
    それと、拝読はしますが評価をするかは分かりませんよ?
    どうせ二度手間ですからね。

    文章についてのご質問はよろしいですか?
    よいのであれば、次のノートの作成に取り掛かろうと思います。
  • ちょっと焦っていましたね。
    落ち着きます。
    ふう。

    よし、落ち着きました。
    順をきちんと追いましょう。

    ここからは冷静に……
    文章についての、現状、最後の質問?をさせて頂きます。

    殺し屋の作品より抜粋します。

    やはり、あんな会社に所属し、まともで居られる筈がない。

    これを読み、ボルコム様は理解できる訳が無い。
    と仰られました。

    しかし、俺はこれを読むと、「会社って何だ?」と、先が気になるのです。

    これが、一番意外でしたね。

    キャラの思考の中に、まだ出ていないストーリーについての用語を混ぜ込むというのは、結構個人的に好みのやり方だったので。

    皆がそう、という訳では無いかと思うのですが(皆がそうでしたら俺は泣きます)、理解できねぇ……と、期待なしの疑問として取られるとは。

    ……もしや、この手法ってやめたほうがいいんですかね?

    それか、やるとしても固有名詞でやるべき、とかですかね?
    例えば、

    やはり、マフィアカンパニーに所属している人間がまともな筈がない。

    の様に、明確に今後出てくるであろう用語を、はっきりと使い、疑問に期待を持たせる感じで。
    (ネーミングセンスには目をおつぶり下さい)
  • お尋ねの件ですが、確かに角々三角形さまのやろうとされていることは理解できます。
    そして読者の中には角々三角形さまと同じように興味を惹かれる人もいるかも知れません。

    ですがこの手法は「興味を惹かれない読者を置き去りにする手法」だと、私は感じます。
    個人的には、リスクの高い手法だと思いますね。

    これをするなら「読めば絶対に興味を惹くに違いない」と思えるほどの強力なパワーワードを設定するべきかと。
    それだけの自信がないのであれば、避けた方が無難です。

    以上のように思いますので、今回は「仮」なので目をつぶりますが、本番では「ネーミングセンスに目をつぶることはできない」とご承知なさってください。

    私はこの手の「見るだけで興味を惹くワードセンス」というものがありませんので、まず使わない手法ですね。
    使用なさるなら「絶対の自信」を持てるくらいになってからがよろしいかと思います。
  • ありがとうございます!
    ネーミングセンスは無いので利用は避けます笑

    現状文章についてお聞きしたいことはなくなったので、3冊目をお作りいただけると大変有り難いです。
  • 宣言の通り、次はストーリー・設定について話させて頂きますが、御作の作品内容に触れる話題ですので、一定の「ネタバレの許可」を願いたく存じます。
  • 大丈夫です!
  • それでは次のノートの作成に取り掛かります。
    少し時間がかかりますので、投稿は明日になるかと思います。
  • ありがとうございます!
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