オリンピックまでもう2週間になりました。街にもあちこちに「パリ2024」の垂れ幕がかかっています。
でもその風景も見慣れてしまったのと、スーパーに置いてある赤い三角の目玉人形ぐらいしか五輪を想起させるものがないため、僕の日常には盛り上がりとか高まりみたいなのが感じられず、今ひとつピンときません。
あ、ちなみにあの赤い三角の目玉人形は、フランスのシンボルであるマリアンヌが被っている帽子でフリジア帽といいます。どうせマスコットにするならマリアンヌ本人にしたら? 赤い三角帽なんてディテールすぎて伝わらんわ。ていうかあれ、かわいいですか? 僕は気持ち悪い。(でも某万博のマスコットを見て、上には上がいると思った。)
それはおいといて、あまりにもオリンピックの現実感がないので、空き時間にエッフェル塔に行ってきました。五輪が飾ってあるのを生で見ればちょっとは気分が出るかなと思って。
実際に目の当たりにするとやっぱり違いますね。今更ながら本当にやるんだと思えてきました。
すると突然、空に轟音が響き渡りました。なんぞや、と思って振り仰ぐと。
あれです、青白赤の煙を吐き出しながら飛ぶあれ、なんと言ったっけ。そう、ブルーインパルス(それは日本)
イベントに登場する空軍の飛行機、パトルイユ・ド・フランスです。
本番に向けての予行演習だったんでしょうね。四機ぐらい固まったのがエッフェル塔のまわりをブンブン飛び回っています。
三色そろって吐き出されることはありませんでしたが、ときどき赤や青の煙がお尻から噴射されて空にうっすらと線が描かるのを見ていると、ちょっと童心に返るものがあって、おお、と口を開けたまま眺めてしまいました。
オリンピックの開会式で披露……あ、その前に7月14日の革命記念日があることを思い出しました。軍隊のパレードのあとに飛ぶのでこのためだったかも知れない。
これ、フランス国旗なので並びはもちろん青白赤ですよね。でも前に間違えて白青赤になっちゃったことがあったのですよ。それロシアやん。
それ以来、見るたびにちゃんとした並びで煙が出るか心配している自分がいます。
そんなこんなで目前に迫ったオリンピックですが、フランス人の関心はもう議会の方に持っていかれちゃってます。
先日の下院選挙の結果はご存じの方も多いと思います。
左派の逆転勝ち。
なので基本的にはここから首相を出すことになります。
ただ、ひとり駄々っ子がおりまして。エマニュエル君といいますが。
首相を任命するのは大統領の仕事なんですが、「ぼくは左派から首相なんか選びたくない!」とゴネています。カードゲームで負けた人が「今のはなかった!」といってちゃぶ台をひっくり返す寸前、というところでしょうか。
ええ? 選挙の意味なくね?
国民、怒っちゃうかもしれません。怒ったらどうなるか。ストの匂い……
オリンピックまであと2週間のフランス。なにがあってもアスリートに罪はありません。選手が気持ちよく競技できる状態にしてほしいものです。
