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仏映画日記

少し前に相方が某Netf〇ixに加入したので、たまに映画を観ています。今のところ仏映画ばかり。いつも勝手に観る作品が決められているので、それに付き合っています。でも意外と面白い作品もあったりして、予備知識なしに観てみるのも悪くないですね。覚え書きとして観た映画を思いつくままリストアップします。

「ヒューマニティ通り8番地(8 Rue de l'Humanité)」
ロックダウン中のパリを舞台に、あるアパートの住人たちの悲喜こもごもを描いたコメディ。かなり誇張はしてあるものの、ロックダウンのあるあるが満載で笑いました。もうあの頃には戻りたくない。

「シム氏の非常に私的な人生(La Vie très privée de Monsieur Sim)」
邦題は勝手に訳しました。破滅に向かって一直線の男の話です。すごくシュールな映画でした。笑わせたいのか落ち込ませたいのか分からない。ラストはどんでん返し。いい意味でも悪い意味でもフランス映画。でも怖いほどグイグイ迫ってきました。

「ハートブレイカー(L’arnacoeur)」
王道のラブコメでした。「別れさせ屋」をやってる詐欺師三人組がとてもいいです。ヴァネッサ・パラディは今どき珍しいセレブ感満点の女優ですね。あの不貞腐れたような顔でしれっと面白いことをされるとじわじわきます。

「シンク・オア・スイム(Le Grand Bain)」
おっさんのシンクロナイズドスイミング映画。ウォーターボーイズの見苦しい版。出てくる人みんな濃すぎる。でもキャストはけっこう豪華で安心して観られます。ラストはお約束だけどやっぱり気持ちいいです。

「幸せになるための恋のレシピ(Ensemble, c’est tout)」
邦題がいかがなものかと思う。原題は「一緒にいるだけでいい」みたいな意味です。この作品よかったです。俳優のアンサンブルがよかった。ギヨーム・カネって上手いですね。いつも心配事があるような顔をしてるのでその顔が笑うとすごく貴重に思える。

他にもありますが例によってよく分からない仏映画もあったのでこのへんで。

配信サービス、便利ですけど、いっこだけ残念なことがあります。それはエンドロールが小さくなって、次のお勧め作品がドーンて出て来ちゃうこと。あれは興醒めですね。僕はクレジットを最後まで見たい派なので、余韻もへったくれも制作スタッフへの敬意のかけらもないこのシステムがいやです。消費社会なんだな。
なんでもそうだけど、次から次ではなく、ひとつの作品をゆっくり味わいたい。
そんなわけで文句を言いながらも、今度は何を観るかひそかに楽しみにしています。

27件のコメント

  • 『いつも勝手に観る作品が決められているので、それに付き合っています。』

    柊さんの優しさと格好良さが滲みます!

    私は値段の安いAmazo●n pr●meで誤魔化しておりますが、某Netf〇ixの方が配信量が圧倒的みたいですね。エンドロールが小さくなる?それは、なんとも妙な感じですね。最後に奏でられる最高の音楽に身を預けながら、ぼーと画面を眺める余韻、少数派でしょうか( T∀T)

    素敵な映画のご紹介、ありがとうございます!
    Amazonには無いかなあ(^^;

    先日、『グリーンブック』と『42 世界を変えた男』を観ました。共に人種差別を扱った映画ですが、ぐるぐる低迷していた私にはいい刺激でした。
    映画って、いいものですね!
  • 映画の紹介ありがとうございます。
    どれも興味深いですね。
    今はコメディで笑いたいって思いました。

    相方さんと仲良し生活が伝わってきて、ふふってなりました。

    エンドロールで余韻に浸る時間って欲しいですね。残念。

    インプット必要だなぁって気付かされました。

    柊さん、おやすみなさい💤 ん?!
  • 近況ノートに失礼します。

    どれもおもしろそうな映画ですね。でも、僕はアマゾ○プライムなんですよね。観れないでしょうね。
  • ロックダウンを描いた映画がもうあるんですね。見たい。

    付き合いで見ると意外と面白い映画に出会えるんですよね、分かります。

    自分は
    「えー、こんな映画興味ないんだけど、しかたないから付き合うか……」
    と思って見はじめた作品にめちゃくちゃ感動したとか、ざらにあります(笑)
  • 呪文堂さん、
    そう、すごく作品数が多いんですよ。なのでいちから映画を選ぶと時間がかかりそう。決めてもらってるのに従う方が簡単です(笑)Amazo●n pr●meのほうが安いんですね、知りませんでした。
    エンドクレジット、呪文堂さんも最後まで見たい派ですか。少数派なんですかね……。Netf〇ixはクレジットが始まった途端に最小画面になっちゃうんですよ。これはもう白けます。余韻が欲しいです……。
    『グリーンブック』と『42 世界を変えた男』調べました!どちらも伝記映画みたいな作品なんですね。今度はアメリカ映画も観てみたいです。
  • ハナスさん、
    ざっくりした覚え書きですがここに挙げた作品はどれもよかったです。
    相方もコメディを選んでるようなんですが、仏映画だけにブラックな内容もあり、たまに「……」となります(笑)おっさんのシンクロ映画は純粋に楽しいですよ。
    エンドロールの文句言ってますけど、放映する側がここを切っちゃうのって違うんじゃないかなって思ってます。世知辛いな。と。
    映画のインプットは本とはまた別で刺激になりますね。
    こちらはおはようですが、ハナスさんもよい一日をお過ごしください^^
  • 烏目さん、
    どれも多分コメディジャンルなんですが、全部笑いの質(要素?)が違いますね。あと必ず人生の陰の部分が入ってくるところは仏映画っぽいです。
    アマゾ○プライムの品揃えは分かりませんが、Netf〇ixは自社製の作品もあるから多いのかも知れませんね。月額使用料にもよりますが、たくさん観ないと元を取れない気もします。よくできてますよね(笑)
  • 橋本さん、
    ロックダウンの映画は制作がNetf〇ixだったと思います。監督と主演がダニー・ブーンっていう有名なコメディアンで、この人の作る映画はだいたい面白いですよ。
    観たい映画って自分で決めるとどうしても自分の好みの枠から出ないんですよね。付き合いで(ほとんどしょうがなく)観た作品がすごくよかったりすると「発見した」っぽくて嬉しいもんですね。なので相手に丸投げのこういう見方もいいかなと思います(笑)
  • これは楽しそうですね。
    多分日本で見られないフランス映画がふんだんに見られるんでしょうね。
    あれ、それとも内容は日本と変わらないのかな?

    今はうちはそれが見られないんですが、「秋刀魚の味」をそこで見た時、まだ終わってないのに別の作品がどーんと出てきて、あれは本当に腹が立ちましたよ。

    やっぱり、気楽に映画を楽しむなら、こういうサービスはいいですよね。
    羨ましいなあ。
  • レネさん、
    フランスはけっこう映画大国で色々作ってるんですよ。
    だけど、これってどの国でも同じ映画をやってるんでしょうか。ここからだと日本のプログラムが分からないので…。品揃えは豊富みたいですね。
    なんか、サービスは便利だけど、エンドクレジットをこういう風に扱うのがいやです。余韻もなにもなく、ぶった切るように関係ない作品がどーんと出てきたらほんとに興醒めですよね。「秋刀魚の味」なんか特にそうでしょう。
    やっぱり消費社会なんだと思ってしまいます。
    だからわざわざ画面を大きくして最後まで見ています。
  • わ~~、Netf〇ix 良いですね!すごく大量に選べるらしいですね!うちはアマゾンなので、それほど多く選べないです・・・けど、それでもあまり観れていないのでまあ良いかなって感じです。

    でも、Netf〇ix限定のフランスのドラマ、ルパンが観れますよね!「最強のふたり」の主演の人が主役でだいぶ面白いらしいです。いいな~・・・

    ご紹介の映画、面白そうなのばかりですね!知らないのばかりです~フランス映画、最近観てないです・・・映画自体はちょこちょこ観てるのですが、やっぱりフランス映画が好きですよ♬近いうちになにか観たいです~

    楽しそうなご紹介をありがとうございます✨
  • 神原さん、
    日本だとアマ〇ンを使っている方が多いんですかね。僕自身はサイトを見てないのでどれぐらい選択肢があるか分からないんですよ。そんなにあるんだったらレアな作品も観たいですね。
    「ルパン」忘れてました!オマール・シーなら面白そうですね。シリーズってハマりそうで怖いですけど(笑)
    白状しますが、実は出来心で「エミリー・イン・パリ」を見てしまいました。色んな意味で評判以上でした(笑)現実逃避にはぴったりかもですw
    神原さんは仏映画にお詳しいですよね。また何かおすすめがあったら教えてください^^
  • 柊さま。
    しばいぬかしばけんかは私もわかりませんが、私の知る限りでは、昔はパリは犬のフンがたくさん落ちていると聞きました。
    で、30年くらい前だとおもうのですが、パリ市の公務員は、犬のフンを拾って行く仕事があると、新聞で読んだこともあります。
    まあ、それを読んで、パリにもそんな一面があるのだなあと思ったものです。
    shiba inuですか。知られているならそれなりに嬉しいですね。
    わざわざご返事ありがとうございました。
  • 柊圭介さま

    近況ノートに、失礼致します。

    この度は拙作『朝に眠る』に、素晴らしいレビューを賜りまして、ありがとうございました。

    とても嬉しく、一つひとつのお言葉を胸に抱き締めるように読ませていただきました。
    宝物として大切に致します。
    ありがとうございました。

    春の柔らかな風が、柊さまに幸せを届けることを願って。
    重ねて御礼申し上げます。

    ありがとうございました。

  • レネさん、
    犬の糞はパリ名物ですよね。今は拾わないと罰金があるので、飼い主の人は袋を持って散歩してますよ。それでも無くならないですけど。
    19世紀では犬の糞を皮なめしに使っていたので、拾って工場に売るという仕事があったと本で読みました。今はさすがに使っていないと思いますが、想像するとぞわーとしますね。
  • 石濱さん、
    こちらまでお越しくださり恐縮です。
    コメントも残さずにレビューだけで失礼しました。
    『朝に眠る』素晴らしかったです。色々と感服しながら読んでいたもので、うまく言い表すことができず、レビューを書くのもおこがましいかと思ったんですが、やはり残しておきたかったので。
    宝物なんてとっても嬉しいです。そう言って頂けると書いてよかったです。

    やっと本格的に春になりましたね。石濱さんも穏やかにお過ごしください。こちらこそありがとうございます。
  • へえー、未だに犬のフンが落ちてるんですね。しかも罰金があるにもかかわらず!

    19世紀はそんなことしてたんですか。意外や意外。フランスも結構私たちがイメージに抱くほど、ステキじゃないところがあるんですね。

    スペインでは、昔皆平気でハンカチで鼻かんで、くしゃくしゃにしてポケットに入れてたし、昔のフランス映画でそう言う場面見たことありますけど,その辺は今はどうなんでしょうね。
  • こんにちは。
    紹介してくださった作品の中で一番気になったのがコチラ。
    「シム氏の非常に私的な人生(La Vie très privée de Monsieur Sim)」
    一人の人にフォーカスした作品って、深いところに入り込むような感じがします。この作品もそうなのかな。

    他の作品もそうですが、柊さんは完結にスパっと作品を紹介するのが本当に上手です。へえ〜って興味持っちゃいます。

    私もエンドロールを最後までゆったり楽しみたいので、ちっちゃくなってしまうのは切ないですね。急に置いてけぼり食らったようで。待って待って〜。

    あ、お礼に伺ったんでした。
    『異都奈良の琥珀食堂』にお星さまをくださいましてありがとうございます。しばらく休筆しておりましたが、また少しずつカクカクヨムヨムライフを復活させていこうと思います♬
  • レネさん、
    「昔皆平気でハンカチで鼻かんで、くしゃくしゃにしてポケットに入れてた」
    今はそれをティッシュでやってる感じですね。気持ち悪いですが、日本のティッシュと違って3枚重ねぐらいで紙が分厚いので一回で捨てるのがもったいないのかも。コロナの注意事項で、「ティッシュは一度使用したら捨てること」とわざわざ書いてあるほどです。日本は特に潔癖なので、こんな話するとフランスもヨーロッパもすごく汚く見えますね(笑)
  • 蒼翠さん、
    読んでくださってありがとうございます。お察しの通り、この映画はひとりの人生のすごく深いところに突っ込んでます。ときどき置いてきぼりを食らいそうになるので必死で追いつく感じでしたが(笑)
    ざらっと紹介しただけですが面白そうと思ってもらえたら嬉しいです^^
    エンドロールが小さくなるのはすごく嫌なんですよ。作り手に対する冒涜だと思うんですが、大袈裟なのかな。「スタッフなんかいいから次の作品を見ろ」って言われてるみたいで。

    御作品、すっかり星を入れたつもりでいました。遅ればせで失礼しました。丁寧に作られたごはんが美味しそうです。このあとも楽しみに読ませていただきます。
  • なんか、ユーモラスでホント笑っちゃいますね。
    日本人って、やっぱり悪く言えば潔癖症ですけど、よく言えばキレイずきなんでしょうね。その分、私のようなだらしない男は、いつも妻に叱られて、ホント生きづらいです(笑)。
  • 柊さま。
    早速お読みいただきありがとうございます。
    お褒めの言葉も嬉しいですが、実は段々思いっきり暗くなるんです。読みたくなくなったら、無理しないでくださいね。
    書き込みありがとうございました。
  • レネさんのエッセイも好きですが、小説が読めるのが嬉しいです。暗い話は自分もひとのことを言えないので。
    ストーリーもですがレネさんがどういう風に書かれるか楽しみにしています。
  • 書き込み失礼します。
    柊さま、改めて書かせていただきます。
    「香織とめぐみへ」に関してなのですが、自分で書いて,発表しておいてこんなことを言うのは大変無礼だと思うし、不愉快になられるかもしれませんが、こんな暗い作品、嫌だったら遠慮なく読むのをやめていただきたく、お願いいたします。どうか無理に読まないで欲しいのです。
    こんな暗い作品発表して本当に申し訳なく思います。すみません。
  • レネさん、
    かなり御作品に対して気を遣われているんですね。でもご心配は無用だと思いますよ。僕はレネさんの文章に興味があるので拝読しています。暗いとかは関係ないです。

    暗い話ということであれば、僕は個人的にそういう話が好きで、このサイトでもわざと選んで読むことがあります。抉られるような物語を読んでカタルシスを求めているところがあります。なので話が暗いということを気にしていらっしゃるなら、そこは僕にとっては何の問題もありません。

    自分の書く話もだいたい暗いので、人を選びます。最初だけ読んでいなくなる人なんてしょっちゅうです。でも他人に受けるものより自分の書きたいことを優先したいと思っています。読者に気を遣われるということはレネさんはお優しいのだと思います。

    あと僕はお付き合いで読むということもしないです。興味があるから読みます。コメントはエッセイには書くことがありますが、小説は黙って読みたいタイプなのであまり残さない方です。

    レネさんの文章は落ち着きと味わいがあって、あと正直な感じがして魅力を感じます。「香織とめぐみへ」でも同じです。なので最終話まで見届けたいと思います。
    どうかご心配されませんよう。更新を楽しみにしています。
  • 柊さま。
    ご返答ありがとうございます。
    趣旨はよく理解できました。ありがとうございます。
  • レネさん、
    長々と失礼しました。
    御作品読み終えました。
    涙が出ました。読んでよかったです。ありがとうございます。
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