前提として、この物語の舞台は私たちの現実世界とは理の異なるもうひとつの世界である。
「妖廻妖狐」の舞台となるのは“日本”ではなく、東洋の島国とされている。
古来より各地に散在していた陰陽師・神官・祓魔師の諸流派を統合し、現代的な法体系と監督制度のもとに再編された対霊組織。
公的には「宗教法人・退魔師連合」として存在しているが、その実態は国家非公開の防衛部門に等しく、呪術災害や妖異事件の鎮圧・封印・調査を主な任務としている。
退魔師連合の理念は三つ。
1. 祓い ― 魔を祓い、霊を鎮める。
2. 禊ぎ ― 穢れを浄化し、人を救う。
3. 赦し ― 憎しみの連鎖を断ち、調和へ導く。
霊的存在を単なる“脅威”として滅するのではなく、「対話」「和解」「共存」までも視野に入れた退魔行動を理想としている。物語の主人公たちは、この退魔師連合の中でも本部直轄に近い関東大社支部に所属しており、主な活動拠点は首都帝都近郊のK市、および隣接するS市である。
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■組織構造(簡略)
退魔師連合は、三つの最高位職「三賢人(さんけんじん)」を頂点とする階層制組織である。
• 白の賢人:学術・理論・儀式体系を統括。研究部門を率いる。
• 青の賢人:術式および式神運用の責任者。政界にも古くから強いパイプを持つ。
• 赤の賢人:実戦および訓練部門を統括する現場最高責任者。
その下に、各階層の退魔師が所属する。
• 上級退魔師:班長格。高位妖対処や現場指揮を担当。
• 中級退魔師:主戦力。実働班の中核を担う。
• 下級退魔師:見習い・研修段階。祓具運搬や補助を担当。
三賢人は任期制(4年)で、上級退魔師から推薦及び投票で選出される。
上級退魔師からは、国家公務員扱いになり待遇が跳ね上がる。
一般の会社で例えると、上級退魔師が管理職兼役員、中級退魔師と下級退魔師が組合員のような関係。
リスクレベル(霊災等級)
リスク1:
低級の呪霊
初歩的な霊障。新人の下級退魔師でも単独で対処可能。
リスク2
低級の呪霊複数、大型の呪霊
下級退魔師複数名による連携が必要。物理的被害を伴うこともある。
リスク3
妖怪、意思を持つ怪異。
強力な個体群。特に憑依型はベテラン退魔師でも敗北する可能性がある。
リスク4
大妖怪、災害級怪異
封印級脅威。妖狐もこの分類に該当。上級退魔師による専門討伐隊が編成される。。
リスク5
霊的な大災害及び戦争
軍や国家と連携して処理に当たる必要あり。
歴史上まだ起きてはいない。