こんばんは、『音に、音はない』第41話を更新しました。
https://kakuyomu.jp/works/16818792435869696813/episodes/16818792438462944281今夜の澪に、孟子の言葉を贈りたいと思います。
実は今日この話を書いている間、頭の中はずっとこの一節でいっぱいでした。
なぜなら、現実はドラマのようにはならなくても、人の心や希望を少しずつすり減らしてしまうものだと知っているからです。
今日の物語を書き終えたあと、友人に自分の気持ちを話したら、気づけば泣きながら慰められていました。そしてこの言葉を、その友人と、もう一人の女性の友人にも送りました。その彼女も、今まさに自分の苦難に立ち向かわなければならない時を迎えています。
そして、この文章を読んでくださっているあなたにも、この言葉を贈ります。
原文:
故天将降大任于是人也,必先苦其心志,劳其筋骨,饿其体肤,空乏其心,行拂乱其所为,所以动心忍性,曾益其所不能。人恒過,然後能改;困於心,衡於慮,而後作;徵於色,發於聲,而後喻。
訓読:
故(ゆえ)に、天(てん)、将(まさ)に大任(たいにん)をこの人(ひと)に降(くだ)さんとするや、必(かなら)ず先(ま)ず其(そ)の心志(しんし)を苦(くる)しめ、其の筋骨(きんこつ)を労(ろう)し、其の体膚(たいふ)を餓(う)ゑ、其の心を空乏(くうぼう)し、其の為(な)す所に拂乱(ふつらん)せしむ。ここを以(もっ)て心を動(うご)かし、性(せい)を忍(しの)ばしめ、曾(かつ)て其の能(あた)わざる所を益(ま)すなり。
人(ひと)恒(つね)に過(あやま)ちて、然(しか)る後(のち)に能(よ)く改(あらた)め、心に困(くる)しみ、慮(おもんぱか)りに衡(み)ちて、然(しか)る後(のち)に作(おこ)り、色に徴(あら)われ、声を発して、然(しか)る後(のち)に喩(さと)る。
意味:
だから、天がこの人に大きな任務を授けようとするときは、
必ずまずその心志を苦しめ、その筋や骨を疲れさせ、
身体を飢えさせ、心を貧しくし、
さらにその行うことを妨げ乱すような試練を与える。
それによって心を奮い立たせ、性質を鍛え忍耐を学ばせ、
これまでできなかったことをできるようにさせるのだ。
人は常に、過ちを犯してこそ、初めてそれを改めることができる。
心に苦しみを抱き、思い悩み抜いてこそ、発奮して立ち上がる。
苦しみが顔にも現れ、声にも出てこそ、初めて悟りを得ることができる。
私自身、いちばんつらい時期に、この言葉を何度も自分や家族に向かって口にしていました。
最初は冗談めかして言っていたのに、繰り返すうちに不思議と心が軽くなり、前を向けるようになりました。
だから、あなたにもこの言葉から少しでも力を受け取ってもらえたらと思います。
みんなが笑顔でいられますように。やっぱり一番大切なのは、健康と幸せですよね。