『一度も後悔しなかったことを、私は後悔している。』を読んでくれたあなたへ:
この文章は、あの日、クリムとの別れに耐えきれず、どうしようもなく気持ちが溢れてしまった時に書いたものです。
そして、これは私自身の「お別れの言葉」でもあるため、どの企画にも参加せず、宣伝もせず、紹介文すら書かないつもりでした。
それでも、そんな静かな場所に、たくさんの優しい方々が足跡を残してくださり、ご自身と保護猫たちとの物語を分かち合ってくれました。
とても胸を打たれました。
感動とともに、少しだけ――見知らぬネットの世界にも、自分と同じように命を大切に思っている人がいることが、嬉しかったです。
思い出すたびに、きっとまた少しだけ後悔も、寂しさもあると思います。
でも、今の私は、あの日ほどには悲しくありません。
どうか、ご安心ください。
ある方への返信で、私はそっと詩を添えました。
犬は ごはんを見れば 叱られたことも忘れる。
猫は 毛玉を見れば 絡まったことも忘れる。
花は 陽を浴びれば 雨に濡れたカビも忘れる。
凧は 風と遊べば 糸に切られた痛みを忘れる。
雨は 軒先に触れれば 嫌われた日々を忘れる。
心は 優しさに触れれば 砕けた夜を忘れる。
影は 光に出会えば 孤独の長さを忘れる。
人は 愛に触れれば 泣いていたことさえ忘れる。
もしかすると、
そっと忘れられるのは、
笑っていた記憶が、ちゃんと残っているから。
私は、悲しみも、寂しさも、少しずつ忘れていくでしょう。
なぜなら、笑えた日々が確かにあって、たしかに幸せだったから。
心から、ありがとうございました。
そして、これが――私のクリムです。
