• 詩・童話・その他
  • 恋愛

後悔の先に、あなたがいてくれた。その優しさに、ありがとう。

『一度も後悔しなかったことを、私は後悔している。』を読んでくれたあなたへ:

この文章は、あの日、クリムとの別れに耐えきれず、どうしようもなく気持ちが溢れてしまった時に書いたものです。

そして、これは私自身の「お別れの言葉」でもあるため、どの企画にも参加せず、宣伝もせず、紹介文すら書かないつもりでした。

それでも、そんな静かな場所に、たくさんの優しい方々が足跡を残してくださり、ご自身と保護猫たちとの物語を分かち合ってくれました。

とても胸を打たれました。
感動とともに、少しだけ――見知らぬネットの世界にも、自分と同じように命を大切に思っている人がいることが、嬉しかったです。

思い出すたびに、きっとまた少しだけ後悔も、寂しさもあると思います。
でも、今の私は、あの日ほどには悲しくありません。
どうか、ご安心ください。

ある方への返信で、私はそっと詩を添えました。

犬は ごはんを見れば 叱られたことも忘れる。
猫は 毛玉を見れば 絡まったことも忘れる。
花は 陽を浴びれば 雨に濡れたカビも忘れる。
凧は 風と遊べば 糸に切られた痛みを忘れる。
雨は 軒先に触れれば 嫌われた日々を忘れる。
心は 優しさに触れれば 砕けた夜を忘れる。
影は 光に出会えば 孤独の長さを忘れる。
人は 愛に触れれば 泣いていたことさえ忘れる。

もしかすると、
そっと忘れられるのは、
笑っていた記憶が、ちゃんと残っているから。

私は、悲しみも、寂しさも、少しずつ忘れていくでしょう。
なぜなら、笑えた日々が確かにあって、たしかに幸せだったから。

心から、ありがとうございました。
そして、これが――私のクリムです。

6件のコメント

  • 気持ち切り替えられたのかな?
    良かったです!
  • 加藤様、コメントありがとうございます。

    そして、ご心配をいただき、ありがとうございます。
  • 綺麗な猫ちゃんです。
    目いっぱい、愛されていたことが、写真から伝わってきます。
    生き物を飼っていると、沢山、後悔する瞬間が訪れますね。
    でも、それ以上に満たされた瞬間もあったことを忘れないでいたいです。
  • 福倉真世様、こんばんは。

    温かいお言葉、ありがとうございます。
    たくさん後悔もありますが、あの子と過ごした幸せな日々の方を、ちゃんと胸に残していきたいです。

    クリムはとても食いしん坊で、とても可愛い子でしたよ。
  • とても素敵な内容でした。
    ネコちゃんへの思いが、無意識でこんな文章を書かせるんですね。

    私が、飼っていた秋田犬とお別れした時は、
    幼くてただただ泣くことしか出来ませんでした。

    文字に残せたこと、大切な宝物だと思います。
    あの時の事を思うと、私も「後悔」という二文字が浮かんできました。
  • 南砂様、こんにちは。

    「無意識だった」とは言っても、
    実際は、その時、頭の中が後悔でいっぱいだったんだと思います。
    あの時、もっとこうすればよかった、あれもできたかもしれないって——
    何もかもが足りなかったような気がして、「もし何も起こらなければ、もっとよかったのかな」って……
    その気持ちを抑えきれなくて、文章にしました。

    でも、この文章を書いたあと、たくさんの方が自分のペットとの別れについて話してくれました。
    みんな、やっぱり同じなんですよね。

    もっとできたはずって、後悔の気持ちはあるけれど、「出会ったことを後悔している人」は誰もいなかった。

    南砂さんの思い出も、きっと「大切な宝物」なんだと思います。
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する