寒くなりましたが、お元気でしょうか?
さて白花銀狼譚が、終章に辿り着いた開放感から、メタな話題を投下してみます。
↓白花銀狼譚
https://kakuyomu.jp/works/16818622172987809646白花シリーズで幻想的なものを書くことが多いですが、その文章の呼吸などについて、振り返りも込めて触れてみたいと思います。
みなさん、これらについて思うところがあればご意見を頂けると嬉しいです!
(文章オタクですみません)
▼重視していること
基本的に小説の文章では、
『一回読めば没入できる。浸透する』
『理解しなくても、絵が浸透してくる』
というのを重視しています。
いろんな書き方があると思いますが、僕はこうしていて、それゆえに、一人称ぽい三人称がベースになっています。
▼語順
言葉によって脳内に展開される映像が、語順に同期するようにしています。
それにより、わかりやすく、浸透しやすくしています。
補語や目的語が前にくる、日本語構造特有のハックかもしれません。
そこをさらに強め、ときに主語を遅らせて映像を見せるとか、そうしていると思います。
まあ、小説書きなら当たり前かも知れませんが、僕はそこをかなり重視しています。
例
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丸太や地べたに座っているのは、体格はまばらながら、同じ姿《なり》の若者たちだった。
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これは、以下のようにはしていませんね。
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体格はまばらながら、同じ姿《なり》の若者たちが、丸太や地べたに座っている。
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ここは『地べたの泥臭さ』が大事なので、映像の順番=語順を調整しています。
▼聞こえ方
僕は――や……を多用し、句読点の打ち方も独特ですが、『脳内音読したときの読みやすさ』『耳に聞いたときの浸透』を考えています。
文章の認識として、まず日本語は、聞く言語だという捉え方をしています。
ゆえにまず、音読の容易さが、読みやすさと没入の条件だと思うのです。
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閉じた瞼の裏で吹き荒れる瘴気は、治まるどころかますます猛り狂うようだ。
(無理もない。ここはまさに、浄めとは対極にある場所なのだから……)
沙耶はそう思いながらも、意識を狭世に近づける。――狭世の側も変わらず、目の前には瘴気が立ち昇り、崖の底には瘴気の溜まりが広がっていた。さらに底の方に――何者かが潜んでいるようだった。
(白花冥幻譚)
顔を上げて森を見ると、白い影が舞い込んできた。その関怜は痩せた木の枝に泊まると、チチチと啼いた。軽やかに跳ねてからまた、なにかを確かめたかのように、飛び立っていった。
(白花冥幻譚)
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みたいなのは、一文の中でも、息継ぎと舌の運びを工夫して言葉を並べているつもりではあります。
あと、シンコペーションとリズムを意識しています。反復のリズムを使いながら、変調させてアクセントを置く感じで。。
⚪︎文章のリズムについてマジで考えてみた
https://kakuyomu.jp/works/16818093083144801998/episodes/16818093083248685762なので僕は結構、文章を楽譜として書いているのかも知れません。
これがよいのかはわかりませんが……