今日はヨムヨムがたくさん出来て、ほくほくとしているかこです。皆さま、ごきげんよう。
さて、表題通り、カクコンに参加している『キテレツ姫』にMACKさんよりレビューをいただきました。
「黒い瞳の乙女と赤毛男子の大正風ロマンティック」
https://kakuyomu.jp/works/822139840677822600/reviews/822139843037902145
宣伝不得手な私のためにあらすじを書いてくれたのでは??と思うぐらいに話を上手に汲み取っていただいてありがとうございます!
うつろい行く感情と距離も書きたくて書いた所なので触れてくださってうれしいです。
MACKさんの書かれた物語を紹介させてください。
『抱きつき魔令嬢の革命譚』
https://kakuyomu.jp/works/16818622171436836612
こちらのお話、十万字で納められているとは思えないぐらい分厚い世界観で、魔法とは?魔法の世界への影響は?ととても楽しく読ませていただきました。
主人公のロッテさんやヒーローはもちろん、周りの人達がどの方も魅力的で、最後には悪役ポジションにもかわいく思えてくるほどです。
全ての設定に無駄がなく、ピースがはまるように結末まで駆け抜けていく様子は痛快でした。
不遇にも負けず、頑張る主人公が好きな方は必読ですよ!
おまけと言うほどでもないのですが、『キテレツ姫』の小噺を書いたので、こちらに張り付けておきます。
では、また。
◇ ◇ ◇
ざんばらな細い髪を二本の指で挟んで、整えていく。やはり、自分の髪を切るのとは勝手が違い、鋏が上手く入らない。
「リン様、疲れましたか?」
船を漕いでいたはずの彼女が、思い立ったように顔を上げた。
勢いあまって、ざっくりと切ってしまった前髪に青ざめたのは僕で、当の切られた本人はあらまぁと呑気な声をあげる。
固まる僕を気遣ってか、感情の読み取りづらい瞳は凛々しく引き上げられる。
「気にしないでくださいな。また伸びてきますから」
「すぐのすぐには伸びてこないでしょう」
ため息混じりに返しても、彼女は毛先を指でいじるだけだ。
「リン様に切ってもらえるなら、早く伸びるような気がします」
「おかしなことを言っている自覚がありますか」
「わたしは至極、真面目に言っていますよ」
髪は女の命と謳ったのは誰だったのか。肩口に切り揃えられた髪は、今風に言えばモダンになるのだろうが、たいていは尼僧のようだと嗤われるだろう。
「あ、でも、リン様の好みが髪の長い方なら気合いで伸ばします」
「気合いって」
気持ちの問題でどうにかなるものでもないでしょう、という言葉は飲み込んだ。その条件をひっくり返す僕が言うことではない。
口を結んだ僕に何を思ったのか、彼女の眉が八の字になる。
「短い髪はお嫌いですか?」
嫌いでもないが、好きでもない。興味がないと答えたらいいのだろうが、それを言って余計に落ち込まれても困る。
「簡単な話じゃないか。似合ってるか似合ってないかの話だろう」
投げられた助言は、腐れ縁からのものだった。台本を読みつつ、手持ち無沙汰に答えたにしては、きちんと話を聞いていたようだ。
キヨが余計なことを言ったおかげで、期待に満ちた双眸が向けられる。童のように目は今か今かと僕の言葉を待っていた。
居心地の悪い視線から逃げ続けるわけにもいかず、ちらりと彼女を見下ろす。短い前髪の下から覗く瞳からの熱に、嘘がつけるはずがなかった。
「似合っているんじゃ、ないでしょうか」
ぱっと輝いた顔から逃げるように、腹を抱えて爆笑する男を蹴り飛ばしてやった。