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万葉集には戦いの歌がないという問題。

異能士官学校の、第十六話では、『熟田津に 船乗りせむと 月待てば 潮もかなひぬ 今は漕ぎ出でな』という、万葉集の歌を登場させました。
これは、白村江の戦いに出港する船を鼓舞するために、額田王か斉明天皇が詠んだというもので、中学の時に日本史で先生が言ったのを後生大事に覚えていました。
これはただの鼓舞ではなく、詠んだ人物が女性であるため、巫女としてまじないをかけたシャーマニズムの歌である。という解釈を教えてくれました。
この時代の女王や女性天皇が、最高位のシャーマンである、という解釈でした。

絢子に艦への祈祷をさせると決めたとき、この歌を思い出し、調べ直しました。

その中で見つけたのが、「万葉集には戦いの歌が一つしかない。それがこれ」という記事でした。

そういえば――、と思い、職場の文献史学屋の職員に「何でなん?」って聞いたら、なるほど!という答えを頂きました。

「万葉集は、当時の都の貴族階級の心をうつしているんです」

「えー、でも庶民とか地方の事いっぱい詠んでるじゃん」

「ええ、万葉集は歌枕。あこがれの場所を歌ったものなんです。だから、現実の戦や政争には触れたくないんですよ」


とのことでした!

へぇぇぇぇぇーーーーっっ!!
なるほどーーーーーっっっ!

と感動しましたが……常識でしたか……汗

私が一番好きな歌は、百人一首にも取り上げられている持統天皇の
『春過ぎて 夏来たるらし 白妙の 衣ほしたり 天の香具山』
です。

飛鳥時代の初夏の空気の匂いがするようで、読むと涙が出てくるな。

あーー……
私は本当は人間が大好きなんだろうなぁ。
歴史上の人物も、一人の人間として考えるのがすごく好きだ。

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