スピンアウト短編の「声をかけること」に続いて書いたものです。「声をかけること」は、事件が起きてもサスペンスにはならない「日常の描写」でしたが、この「作中作の女」は、初めて「ホラー風」の作品になりました。
私たちは、30年ぐらい前から、パソコンとインターネットに囲まれて仕事をするようになりました。創作文芸も、私も含めてほとんどの人は、パソコンなどを利用して制作しているものと思います。そして、それを発表する場もネット上。
なんとなく、私たちの精神活動が、すべて「デジモノ」の上に載ってしまったような感じがします。そこで活躍する人々、つまり「デジタル上の人格」を持った存在が、現実に反乱するような、そんなアイデアが浮かんできて、お話をまとめました。
書き上げてから読んでみると、松本清張の「共犯者」や、江戸川乱歩の「人間椅子」のように、恐怖がじわじわ近づいてくるタイプの話かと思いました。
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まだ、ほんの初心者なので、皆様にお見せするのもおこがましいとは思ったのですが、自分で読んでみて、ちょっとゾクゾクする感じもあったので、思い切ってアップさせていただきました。
ところで、思いもよらないことですが、今週の週間ランキング・ホラー部門で、この作品が97位の評価をいただき、びっくり、というか目が回りそうに嬉しいです。本当にありがとうございます。おそらくは「ビギナーズラック」なので、これからも、皆様にも読んでいただける作品を書いてみたいと思います。よろしくお願いいたします。
(↓あ、本編の三部作もぜひよろしくお願いいたします↓)
「疏水の際を歩く」
https://kakuyomu.jp/works/16818622175044077292「ちかつあはうみ二人の風」
https://kakuyomu.jp/works/16818622175171347465「蒲の穂」
https://kakuyomu.jp/works/16818622175580707734