どうも隼人です。
またアイリズのあとがき前に参上してしまいましたすみません笑
ご存知ないかもしれませんが、実は
【向上心の塊作家集まれ。書き出し初めの作品を添削&批評したい。】
という企画をやって、添削して欲しい人を募りました。
レギュレーション違反がいっぱいあったのと、なんか途中抜けする人が結構いたので30くらいあった作品が今や17に落ちてましたが集まりました笑
添削したあとに企画から抜けるのはズルだろ!
と言いたいのですが、まぁ自由なので仕方ない。
トータル25作くらいの添削をさせていただきました。その総評と、オススメ作品を紹介したいと思います。
こちらの企画はタイトル通り向上心の高い人を募ったのですが、体感向上心が高かった人は5人ほどしかいなかったです……笑
自分でも引くくらい長文で添削をさせてもらったのですが、
「参考にします!」とだけ返事して感想が欲しかっただけの人
もはや返事もない人
「え、これまだ続くんですか?」と迷惑がる人
添削コメントを削除する人
など様々で、正直レギュレーション違反なんて可愛いものでした。あとは、僕が書くまでの間にエタってる人ね。
ちなみ、僕の作品を読みにきてくれた人は2人くらいかな……?って感じです笑
いいんだけど。それが目的じゃないので
(でも、人の作品色々読まないと上手くならないよ)
傾向としては、雰囲気小説でなんの話か全然わからない作品が多かったなという印象でした。
物語の斬新さを求められる時代ではなくなったので既視感ある作品ばかりだったのですが、ぶっ飛んだ設定の作品がたまにあるととても面白かったです。ありがとうございました。
文章力が低くて何言ってるかわからねーよって作品はほとんどなかったのは助かりましたね笑
文章力低かったり荒すぎるアラだらけでも続き読みたくなる作品
文章力高くて重厚なのに話がさっぱりな作品
そんな真逆な性質のある作品たちもチラホラありましたが、ぜひ添削を参考に跳ねて欲しいと切に願っております。
ただ、明らかにまるまるAIに書かせた小説があったので、それはもう添削のしようがなかったです……
AIを特段反対はしませんが、こういう企画に何を求めていたのでしょうか笑
とはいえ、めちゃくちゃ面白かった作品はぼちぼちあったので紹介させてください。
僕のレビュー欄を見たら、今回紹介した作品以外にも評価した作品見れるとは思います。添削コメと合わせて読むと2倍楽しいかも。
まず第1位。上から先に発表するスタイル。
ごきげんよう、どうぞ死んでくださいっ
ゆえあって、鉄拳制裁につき。
千古不易さん
https://kakuyomu.jp/works/822139840163169120飛び抜けた文章力で、僕も憧れるほど素敵な三人称神視点で繰り広げられる作品です。
三人称を書きたい方はぜひ読んでみてください。
僕も含めて、三人称一視点になってしまいがちですが(悪くないですよ)、徹底して神視点で描かれています。
三人称神視点で書くというは、マジでめちゃくちゃ難しい。それを多彩な表現方法で描かれていて、語彙も豊富。
内容をサラッと紹介すると、舞台は、帝都にある超ヤバい魔法学園。
見た目は“名門”っぽいのに、中身は無法地帯の魔法テーマパークみたいな場所。
ハリーポッターやゼロの使い魔のような世界を想像してくれたらわかりやすいかも。
主人公は マリア。
田舎の教会育ちで、ガチ信仰系の女の子。普段は素朴で真面目なんだけど、なぜか“スイッチ”が入ると、
目(琥珀)に文字みたいなのが浮かんだり
祈りの決め台詞(マントラ)を口にしたり
神罰代行者モードになって、悪っぽい奴を問答無用で鉄拳制裁
…っていう、だいぶ物騒な体質持ち。
超ざっくり言うと、
魔法の世界なのに物理パンチをかます肉体派修道系少女が、魔法学園に入学しちゃう話
って感じ。
まだまだ始まったばかりで、今からでも全然間に合うので、ぜひ読んで欲しいです。
まさに「webでは評価されないけど、書籍だったら評価される作品」の代名詞的に作品でした。読んでいて古き良きラノベを思い出してノスタルジーすら感じられてしまう。
なにより作者さんの向上心も高く、やっぱこういう人が必然的にレベル高いよなと思いました。欠点は遅筆なこと笑
毎日更新して欲しい。
続きが待ち遠しいくらい好きな作品に出会えたのがこの企画をやった功績。
続いて第2位。
崩壊世界で書を紡ぐ
仙人の旅行記
廻る猫さん
https://kakuyomu.jp/works/822139839827161842こちらもまた高い文章力でスッと頭に内容が入ってくる素敵な物語を描いてくれています。
特に情景描写が綺麗で、キャラの機微も細やか。読みやすさでいうなら、上記の鉄拳マリアより高いです。
ざっくり言うと、こういう話。
「世界の全ての本が集まってるトンデモ図書館」に、最後の司書の女の子・世継(よつぎ)が一人で引きこもってる。
外は危ないから結界で守られてて、時間も止まってるレベルでずっと平和。世継はその中で延々と本を読み続けてた。
で、ついに――
「読むもん全部読み切ったわ」
ってなって、暇と好奇心が限界突破して、何百年(何千年)ぶりに外に出る。
そしたら外、終わってた。
街は崩壊してて、誰もいない。空気も色も死んでる。文明が滅んだ感じ。
しかもそこに、明らかに“本でしか見たことない化け物”がいる。
で、ここからがこの作品の芯で、
引きこもり司書(=記録者)が、本で得た知識だけじゃなくて、自分の足で“現実の世界”を見て記録していく側になる話。
「本の中の世界」から「現実の観測者」へジョブチェンジしていく物語の始まり、って導入。
雰囲気としては
知識だけ最強な司書が、滅んだ世界に放り出されて、現場で世界を理解し直す終末ファンタジー
って感じ。
こちらもまだ始まったばかりなので、古参ぶれるよ(僕が読んだ時は1話しかなかったのでレビューに文章ないです。ぼちぼち書くつもり)
ラスト、第3位。
普通に生きたい私は、今日も他人のドラマに巻き込まれる
ただのモブ女子高生でいたいのに、私は歩く“主人公製造機”だった。
莧子さん
https://kakuyomu.jp/works/822139839962465673レビューにも書いていますが、まずこの人は海外の人で日本語を読むことすらできない方です。
翻訳機を使い、なんとか小説を紡いでいます。
コメ返などはAIを駆使しているようですが、文体はAIを使用していないで手書きで頑張っているとのこと。
実際僕が読んだ限りでも、AI感は一切なかったので本当だと思います。
確かに読んでいて、ふいに「ん?」となる日本語的に不自然な部分がちらほら存在してしまうのですが、最初は海外の方が書いているなどとは一切わからなかったレベルの文章力で、読みやすさ、テンポやコミカルさがしっかり表現されています。
webには日本人が書いていても理解すらできない文章や、「ん?」どころじゃ済まない不自然な怪文はいくらでもあるので、先入観抜きでも素晴らしいと思いました。
ものは試しに読んでみて、自分は日本人なのに……と一憂してみてください笑
ざっくり言うとこの作品は、
「主人公が生まれる瞬間にだけ立ち会い続ける“モブ女子”が、やっと見つけた平和(=普通)を守ろうとする学園ラブコメ」だね。
主人公は木下麻央。見た目も性格も地味寄りで、とにかく目立ちたくないタイプ。
でもこの子、なぜか昔から「ちょっと関わった相手が急に“物語の主人公”になる」ことがやたら起きるというメタ的な面白設定。
そこで出会うのが相田悠真。こいつがまた究極に普通で、変なイベントが起きても動じないし、麻央の“主役化”にもなぜか影響されない。
麻央は「やっと平凡の避難所見つけた!」ってそいつのいる文芸部に飛び込むんだけど、作ったばっかで部員が足りない。つまり麻央は「平凡を守りたいのに、勧誘しないと部が潰れる」というジレンマに巻き込まれる。
というお話。
日本のラブコメの鉄則やあるある、ネタがふんだんに盛り込まれていて、「海外でもあの作品有名なんだなぁ」も楽しめる。
昨今のwebに溢れかえってる、ラブコメのコメディなしエロ小説とは全く異なり、ハルヒ、はがない、俺妹、一存、あたりの本当の意味のドタバタラブコメディが好きだった方は絶対楽しめます。
さてさて以上となります。駄文失礼しました。近況は推敲とかしてないから許してね笑
また気が向いたら同じ企画をやりたいです。
まさかこんな素敵な作品たちに出会えると思っていなかったので。一時は心折れそうでしたけど笑
ある意味この割合比率が実際の本気作家比率と同じなんだろうなという実感でした。
ではでは〜