重い足枷を引きずりながら、私は暗闇の中をもがいている。
「逃げ出す」と決めたその瞬間に、心はもうここにはいない。
ならばこの枷を外せばいい。簡単なはずなのに、鍵がどこにも見当たらないのだ。
いくら探しても、祈っても、鍵は現れない。
絶望に立ち止まる時間はもう、私には残されていない。
鍵がないのなら、この枷ごと連れていくしかないのだ。
一歩踏み出すたびに、鉄の輪が肉を噛み、冷たい地面に鮮血の道標が刻まれる。
「逃亡者だ」
「狂っている」
背後から投げつけられる無数の指差しと嘲笑。
けれど、そんな声が届かないほど、私の意志は鋭く、そして美しく研ぎ澄まされていく。
足が血に染まろうとも、この痛みこそが「生きている」という証。
私は振り返らず、満面の笑みを浮かべて、目の前に広がる「自由の海」へと泳ぎ出す。
寄せ集めの、今にも壊れそうな筏に乗り込んで。
貴方たちが、安定と引き換えに手放した「本当の自由」を掴み取るために。
鉄の音を響かせ、血の跡を残して。
私は、どこまでも自由だ。