僕はクソゲーとかクソ映画のレビュー動画を見るのが好きなんですが細田守氏の新作がこれはまたえらいことになってますね。僕自身あの人の作品あんまり好きじゃないんで見る気はなかったんですが、ここまでの評判だと逆に気になってくる。とはいえ創作者の端くれとして作品へのネガティブな評判で盛り上がるのもどうかと思ったので、普通に好きな映画の話でもしようと思います。
タイトルは「映画ハートキャッチプリキュア 花の都でファッションショー」です。
僕はプリキュア映画評論家を自認しており通算で30作以上見てきたのですが、その中でもトップ5には入る名作ですね。
まずプリキュア映画に関する基礎知識なんですが、2020年ごろまでプリキュアは毎年春と秋の二回劇場版アニメを公開してまして、春は歴代プリキュアたちとの交流を描いたいわゆるオールスターズ、それに対して秋はその年のプリキュアたちが単独主演を務める作品、という感じの暗黙のルールがあって、この作品はシリーズ7作目にあたるハートキャッチプリキュアの秋映画になっております。
この映画の何が好きなのか端的に言うと、女児向けアニメとは思えない圧倒的なシリアスさですね。その主たる原因になっているのが今作のヴィランであるサラマンダー男爵(CV藤原啓治)です。こいつがもう出る作品間違えてるだろってくらいのドシリアスキャラで、一見するとキザで飄々とした雰囲気の紳士なんですが、その態度とは裏腹にプリキュアへの深い憎しみと世界への絶望を抱えてる危険人物で「これニチアサ的に大丈夫なのか……?」と心配になるほどでした。
中でも特に好きなシーンがあってキュアムーンライトと対峙した彼が放ったセリフ、「あの時と同じ目だァ……。その哀れむような目をやめろォ!」は僕の映画史の中でも屈指の名台詞となっています。
まあこの映画の難点はある程度の前提知識が必要になること、そしてめちゃくちゃ人に勧めづらいことの二点ですかね。
アンパンマンの映画とかもかなり評判は良いらしいですが、こういう児童向けコンテンツほど商業的な流行りに流されないこだわりを持った作品になるのかなと思ったり。その点、例のあれは何がいけなかったんでしょうね。まあ多分見ないんですけど。
それではまた来月。