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シャルシェのキャラ作り話(暗い話注意です)

『この革命は二度目の恋とともに〜断罪された騎士の娘はヤンデレ皇太子に愛でられる〜』

https://kakuyomu.jp/works/822139836962146010

✴︎王の作り手✴︎
「第12話 少しだけ、君に触れたい」

公開中です!

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

さて、この「王の作り手」の章は、一応この12話で終わりです。
この章の終わりにシャルシェのキャラ造形の裏話をすると、少し前に書いていました。 

初登場時、言葉もカタコトな弱すぎる鳥の魔族だったシャルシェは、主人公エヴァンジェリンの血を飲むことによって少しずつ成長します。

最初は毛玉のような姿からオウムに。
その次は6歳くらいの綺麗な顔の男の子(銀髪赤目)。
そして今は10歳くらいの美少年です(銀髪赤目)
身体が大きくなるごとに言葉も成長し、今ではフレッドやロビンとほぼ対等に口喧嘩できます。

魔物の襲撃に遭い、エヴァンジェリンが覚醒させたシャルシェの真の姿は、聖剣シャルディアス。
魔を打ち払う強力な剣です。
そして、エヴァンジェリンの見る夢に度々出てくる人並外れた美貌の青年の名前もシャルディアス。

シャルシェは遥かな時の流れの中で弱り、大切な人との思い出も、自身が聖剣であったことも忘れ、知性も失くし、最後にはちっぽけな魔族のような存在になってしまっていたんです(「深海に届いた光」参照)

ここまで書けば分かってしまうでしょうか。

多分、この日本に住む多くのかたが現在進行形で悩み、或いは、いずれ直面する問題を、シャルシェは背負っています。

私自身が経験した悲しみが源泉です。
エッセイ(見ると私自身の気持ちが暗くなるので、非公開にしました)に書いた、立て続いた訃報と同時にもたらされた一つの知らせ。

母親に代わって私を育てた祖母が、重度の認知症になっていました。

祖父の暴力と暴言を嫌った私は、当時、実家と長年距離を置いていました。
そうなる覚悟もしていたつもりでした。

でも、いざ現実を突きつけられた時に、私が目を背けてきた時間の重さを感じ、堪えられず何日も泣いてしまいました。

祖母は、好きだったことがほとんどできなくなって。
常日頃大切にしていたことも忘れてしまって。
人生で一番楽しかった、半世紀以上前の時間の中に生きていました。

そこには、既に私はいませんでした。

「孫が一番可愛いものよ」と、ただ一人の孫の私に言って聞かせた祖母の世界から、私の存在は消えてしまった。

いつも、窓から陽の光が差し込む階段の一番上に座って、夢中で本を読んでいた女の子の姿は、いつ、貴方の中から消えたのでしょうか。

祖母は子供と孫に対する愛情が深い人でした。
好き嫌いが激しい私の好物を沢山知っていて、それを用意しようとしてくれていました。

祖母が手放した記憶の重さ。
失われて戻らない記憶の哀しさ。
いずれ自分のことも分からなくなる不安、絶望。

本人にとっても周囲にとっても、なんて悲しい病気だと思いました。

認知症への怒りと悲しみが、シャルシェ(シャルディアス)のキャラ設定に大きな影響を与えました。

エヴァンジェリンの血の力で、失われた記憶を取り戻し、忘れた自分の姿を思い出し、知性を蘇らせ、シャルシェは復活していきます。
全盛期の姿へと。

そうであればいい。
記憶だけでも取り戻す。そんな治療法ができたら良いのにと、心から思います。

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