お疲れ様です。宴です。
新年が開けまして、皆様におかれましては今年もよろしくお願いします。時候の挨拶もそこそこに、悪役令息が吸血鬼に変身する話(名称不定)について語らせて頂こうと思います。
わざわざ近況ノートまで覗きに来て下さる方ならご存知かと思われますが、『冤罪の吸血鬼』は二〇二六年の一月一日をもちまして第一部を完結いたしました。
既存の異世界ファンタジー観からすると逆張りもいいところの展開作りだったかと思われますが、楽しんでいただけましたでしょうか。僕自身は書いていて楽しかったです。理屈型の能力バトルをちゃんとした形に落とし込めた実感があるといいますか。前々から書こうとしては僕の見込みが甘すぎて破綻することが多かったんですよね。
そういった過去の失態を踏まえ、本作に取り掛かるにあたっては事前に設定等を入念に固めてから臨んでいたのですが、書き進めていくうちにシナリオ通りとならないこともあって。オルゴがベルンの頭を撫でた件とかに関しては、「こんなナイーブな側面もあるのだな」と作者ながら意外に思いました(気が滅入っていたので気分転換がてらに撫でたという流れでした)。彼の置かれた境遇を加味すればさもありなんという塩梅ではあるのですが。
そんな彼ですが、最後の最後では幻想の中の相方に焚きつけられ、自信を取り戻し、『高貴さ』を最大出力してフィローネの精神操作術を圧倒しましたね。これは当初のシナリオになかったフィローネの攻略法なのですが、まあ本作をバトルものとする場合には邪道も邪道の展開だとは自覚しています。が、オルゴの戦い方としてあれ以上に「らしい」ものは思いつかなかったというのも事実です。
逐一能動的に他者を使役しようとせねばならない精神操作術のセコさと、存在するだけで勝手に周囲が支配下に置かれていくような超越的な気品高さ。支配者としてどちらがより優れているかを戦わせる場としては、あれ以上の展開はなかったと思います。アマチュア作品だからこその邪道的展開だと思っていただく他ないですね。
斯くして魔王を打倒し、エピローグは三つの視点から描かれることになります。馬車でどこかに移動中のオルゴとレベッカのしんみりとした会話ですが、いい感じでしたね。諸々のエピソードを経て互いが互いを対等以上の存在として認めている感があっていいです。オルゴがレベッカを労い、日の出と共に彼らの視点は幕を下ろします。
次にはザンナ王都一番街で一人の男が号外を配り歩くシーン。デルフィーノが読者の方々からどう思われているのかは明確に知りませんが、とかく口数が多いとか何かにつけて大仰であるといった評価にはなりましょうが、だからこそオルゴの功績を語らせるには相応しいのではと。なお、号外の信憑性を連名で保証する者のうち、ヌボラ神官姉妹の名前もちゃっかり含まれていますね。オルゴとは敵対関係にあるはずの彼女たちですが、なぜ連名を承認したのでしょうか? あるいは承認していないのかも? 次回があれば経緯ないし真相について語られるかもしれません。
そして、その様子を遠巻きに観測するのは、中分けの兵士あらためイバンでしたね。その後に初登場するのは血の涙を流す少女ことドロレス。それぞれインバージョンやシードレスフィッグからもじられたような呼称をしていることには気付かれたかと思います。会話の中でしか出ていないトーカについてもトーカティブハンマーのもじりだろうと。禁術の名を冠した彼らの正体とは? 目的とは? 仄めかすだけ仄めかして第一部は完となります。
改めまして、最後まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。語ろうと思えば無限に語れてしまいますので、一旦このあたりで切り上げさせて頂こうと思います。
宴懐石は一ヶ月間作家活動を休止し、それ以降の活動方針についても考えようと思います。本作が遺作になる可能性も大いにありますが、本作については今年のコミティアで紙媒体にして販売予定ですので、興味ある方は胸に留め置いて頂ければと思います。
落書きにはなりますが、レベッカのバストアップ画像を添付します。今年の目標として画力の向上は掲げておりますので、その他のキャラについても乞うご期待して頂ければと思います。
