押し倒された真央は、なぜか上機嫌で帰っていった。
帰り際に、お菓子はきっちり食べていったけどな。
ちゃっかり魔王だ。
「やっと解放された」
大きく息を吐いて窓の外を見ると、隣の家の窓に真央。
即、カーテンを閉めた。
……。
一分くらい経ったかな。
ちょっとカーテンを開けて確認。
よし、いない!
これで一安心……。
「って、ん?」
家から出てってんじゃん。
こんな夕方過ぎに買い物か?
「魔王が買い物ってウケるんですけど」
……。
なんかイヤな感じがする。
ただの勘じゃない。
勇者の加護のひとつである天啓だ。
「この加護、まだ有効なんだな……じゃなくて!」
なんでいま発動する?
真央に何かあるのか?
……。
別に心配じゃねーし。
俺も買い物に行くだけだし。
「ちょっと出てくる」
「ご飯までに帰ってくるのよー」
そんな母上の言葉を背中にして家を飛び出した。
西友か? ドンキか? 業務スーパーか?
こっちか!
なんでだろうな。
真央のいる方向がわかるのは。
ええい、全力勇者ダッシュだ!