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よーしパパ、ラブコメ書いちゃうぞ☆

お盆期間の近況ノートですが、毎日渾身の駄文を書いておりました。
(実にくらだらない日課だな!)
最後となる今日、何を書こうか悩んでいたのですが……ラブコメにしました。
鈴懸さんのアレです。

いざ書いてみたら、ラブコメじゃない感じになりました(ダメじゃん)。
でも、続けばどうやってもラブコメになる、最強の布陣です。
OKとしましょう。
続かないけどねw


◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇

タイトル
万年Fランクの冒険者~最強なのに身バレしたくない元魔王の逃亡生活

◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇

 まさに悪魔だった。
 黒い剛毛に覆われた大きな体。
 背中にはコウモリのような羽があって、細長い尻尾が生えている。
 異形の顔に浮かぶ双眸は金色に輝き、対峙するものを恐怖させる眼光があった。

 ただし、キルシュ以外にはだ。

「お前! 悪魔狩りか!? 騙したな!?」
「おいおい、腑抜けたこと言うなよ」

 こいつだって悪逆非道を尽くした魔族の生き残りだ。
 相応の大物感は演出してほしいところだが。
 どうせ死ぬのは変わらないのだ。

「死ねぇ!!!」

 悪魔が咆哮すると、その衝撃で空間が波打つ。
 室内を飾り立てていた豪華な調度類の全てが一瞬で粉砕された。
 そんな人間には耐えられない衝撃波を、キルシュは剣を一閃していなす。

「チェックメイトだ」

 キルシュは右手の指をまっすぐそろえ、悪魔の胸に突き刺す。
 魔核――人間でいう心臓に相当する部分を掴んだ。

「やめろおおお!!」

 そして、握りつぶす。
 てのひらからは悪魔の温もりが伝わり、それはキルシュの中に流れていく。
 するとキルシュの背中から大きな羽が生えた。
 目の前で愕然としている悪魔の背中にあった頃よりも、大きくて威厳を感じる羽――いや翼に変わっていた。

「おまえは!? いや、まさか!?」
「もう死んどけ」

 キルシュは右手を抜いて、魔核ごと引きちぎった。
 胸に空いた大きな穴を、信じられないような表情で見下ろす悪魔。
 それがクラマト王国の経済に深刻な影響を与え、辺境の村を影で支配していた悪魔の最後だった。

 明けて翌日。
 冒険者ギルドではお祭り騒ぎだった。
 誰も手を付けられなかったクエストがついにクリアされたのだから。
 それは難易度が高いというだけではなかった。
 悪魔の影響力は誰もが知るところであり、目をつけられれば報復が恐ろしい。
 領主ですら、その正体を知りながら表向きは友好関係を保っていたのだ。

 それが討伐された。
 ふらっとギルドに立ち寄った、他国の冒険者によってだ。
 お祭りにならないわけがなかった。

「なんの騒ぎですか?」

 今日偶然立ち寄った旅人が尋ねた。

「カカロ村を支配していた悪魔が討伐されたんだ!」
「へぇ、それはよかったですねぇ」
「ああ! 功労者のキルシュはAランクに昇格決定してな。今日は祝賀会なんだよ」
「おめでたいですね」
「もうお祭りみたいなもんです! あなたもどうぞ」
「いえ、私は急ぐ旅なので。申し訳ない」

 そう言って、旅人は街から出てった。
 街の喧騒から離れたところで、旅人に話しかける女の声がした。

「ぎゃはは! 今回は出世が早かったかじゃない!」

 旅人の背中から下品な笑い声が上がった。
 艶めかしく、そして意地悪そうな態度の邪精霊がフードから身を乗り出していた。

「あんだけの大物じゃあ仕方ねぇだろ。またFランクからやり直しだ。クソ」

 キルシュと名乗っていた男はもうこの世にはいない。
 すでに顔も名前も捨て別人となっていた。

「もうS級とかになってガンガンやっちゃえばいいのに」
「それで大失敗したろ……。結局、目立たないのが一番だ。今回は便利な力を回収できたからいいさ」

 十分に街から離れ、人気がなくなったところで男は背中から翼を広げる。
 そして湿地帯の上空を逃げるように飛び去っていった。

(続かない)

◇◆◇ ◇◆◇ ◇◆◇

登場人物と設定

主人公 ナナシ

元魔王、死に際して自分の権能を分割して魔族に埋め込んだ。
300年後に人間に転生、冒険者として悪魔を倒しながら自分の力を回収する旅をしている。
150年前に一度S級になったが、正体がバレかけて大変なことになった。
そのため、A級に昇格すると姿を変えて別人としてF級からリスタートしている。


邪精霊 キャロル

転生したナナシを感知して駆けつけた邪精霊。
偏っているが、世界のあり方や法則にたいして深い知識をもっている。
また、小規模ながらいろんなことが出来る。
その正体は、力を失った女神。魔王であった頃のナナシを守護していた邪神キャスカリル。
世界の法則には詳しいが、人間社会には疎い。


ハイエルフ マリアベル・ハリアデル

百年近くナナシを追っているエルフ。
そのためだけに冒険者ギルドの特別顧問となっている。
執拗に執念深くナナシを追い詰めていく。
ただ、彼女の本当の目的は、ひとこと昔のお礼がいいたいだけであった。


ダークエルフ アーベット・ブラックソーン

魔王四天王の一人で、ナナシがいた頃からの大幹部。
ナナシが死んだことで死の森に引きこもってしまう。
本当は四天王を降りたいが、誰も彼女の勝てないため留任している。
魔王軍の運営に口を出さないため、他の幹部としてはやりやすい。
その胸はささやかであった。


女勇者 フォルテ・シーモ・コーダ

現代の勇者。
勇者の装備を付けてないと、村娘と間違えられるくらいのモブ顔。
弱い。すぐ死にかける。
しかし死なれると強い勇者に代替わりされる可能性もあるので、全魔族から保護対象にされている。
姿を変えてもナナシのことがわかる唯一の人間。
守ってくれるナナシことは、優しいお兄ちゃんと勘違いしている。
だが、その胸は豊満であった。

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