「伝説の魔法使いの技術を再現したら王国を揺るがす百合の花が開いた」という、珍しく長いタイトルにした作品で、Girls Line「あなたの”好き”が読みたい 百合小説コンテスト」に応募しました。
半分まではすらすら書いていたんですが、結構ギリギリまでラストイメージが固まらず、締切二日前にプロットが完成して、一気に2万字書いて完結させるという荒技で、なんとか出すことができました。
「音曲士オフィーリアと水のエルフ」以来のハイファンタジーですが、今回は、魔法は出てくるけどテクノロジーもある程度発展した、近世ヨーロッパ的な世界観にしています。
アイデアの元ネタは、「電網創世記」というノンフィクションで、アメリカで「インターネット」という実験が始まった頃に、日本でもこれを取り込まなきゃと奮闘した大学教授のお話です。
旧来の利権や権威を振りかざすアカデミックの世界に楯突いて、この技術が世界を変えると信じて手探りで実証実験を積み重ねていく、男の血と汗と涙のストーリー。その先生の奮闘があったからこそ、日本も世界に遅れを取らず、誰でも自由に当たり前にインターネットが使える時代を作り上げたのです。
この歴史は、自分もリアルタイムで経験してきたので、とりわけ思い入れがある。
で、今回の作品は、そんな技術のパイオニアの苦労を、魔法の世界で描いてみたら。それも、とびきり可愛い女の子達の百合関係で、という発想から出来上がったものです。
はい。この近況ノートの昨年9月8日に書いていたネタですね。
「書ける気がする」と言ってて、確かに書けたけど、締め切りに追われて急いで仕上げたので、百合度も低いし、抵抗勢力との人間関係とか、もう少し深掘りできたかなー