「🐟よこはま物語② 1978-1985」
第3話 メグミと 3
ぼくらはどこに向かっているんだろう?/🐟フランク ✥ ロイド🐟 - カクヨム
https://kakuyomu.jp/works/2912051604339966280/episodes/2912051604340376874 「明彦!」と母が階下から怒鳴った。「お前に電話よ、メグミちゃんよ」と言う。
ぼくは2階からドタドタとおりて受話器を取った。
「ハイ、明彦だよ」
「電話してくれないじゃない?」
「ちょっと忙しかったんだ」
「先週の土曜日から電話なかったよ。それに、9日間も会ってないんだよ。最後に会ったのは先週の月曜日で、おまけに真理子と三人なんだよ。もう、明彦はメグミとエッチしたくなくなっちゃったのかな?なんて思ってるの」
「そういうわけじゃないよ。ちょっと、その話はさ、いま、階下(した)だからさ」
「そうか、明彦の家、電話は玄関にあるっていっていたものね。ママに聞こえちゃうね」
「そうそう」
「どう?今度の土曜日、暇?それとも真理子と会うの?」
「今のところ暇だよ」
「だったら、土曜日、しようよ」
「いいよ」
「ラッキー!久しぶりだもんね」
「そうか、先月は毎週だったからなあ……」
「そぉだよぉ~、欲求不満になっちゃうよぉ~」
「メグミ、そればっかりだな」
「そればっかりでもないんだな。たまには明彦の声も聞きたいのに電話をかけてくれないんだから」
「先週の土曜から四日間だけだろ?でも、ゴメン、電話かけるよ」
「土曜日の前でも?」
「土曜日まで明日も明後日もかけるよ」
「うれしい」
「ちょっと、メグミ、電話して欲しいなんて前には言わなかったじゃないか?」
「そうだっけ?」
「そうだよ、おかしいなあ。彼氏と何かあったの?」
「何にもないよ。何にもないから困っちゃうんだし、欲求不満にもなるのよ」
「だったら、彼氏にしてって言えばいいじゃないか?」
「そしたらさ、明彦とできなくなっちゃうじゃない?」
「だって、その方が普通で自然なことと思うけどな」
「彼とは普通で自然にできないと思う。明彦とだったら普通で自然にできるんだよ、なぜか」
「う~ん、それって、ぼくが真理子としないのと同じ理由なのか?」
「きっとそうだよ。かたやプラトニックで、かたやエッチばっかり。そういう関係って多様性があって好きだなあ……」
「よくわからないなあ……まあ、いいや……」