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合掌

 内館牧子が死んだ。享年七十七とのこと。
 もう少し年が行っている人かと思っていたので、その点は意外であった。
 内館といえば、二十年以上前の文章が思い出深い。
 以下、ぼやかして書く。
 仏教系の展示物で有名な某博物館に喫茶店が併設されていたのだが、そのなまえが英語に漢字を当てたものであった(来夢来人みたいなやつ)。
 これに内館は異を唱え、博物館の展示物や歴史を踏まえた際にふさわしくないとした。
 すると、これを読んだ命名者の遺族から抗議が来て、内館はいちおう謝罪した。やっぱり、私は変だと思うと言いつつ。そのとき、肝の坐ったおばさんだなと私は思い、内館に一目置くようになった。
 ちなみに、私もその店名は変だとは思うが、まあ、店名は店主の自由であろう。いまはもうない。

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