朝、大きな窓から差し込む光が心地よい。私の世界は、この窓一枚を隔てて外と繋がっている。
今日、窓の外では小さな出来事がたくさん起こっていた。一羽の鳥が、風に乗って高く舞い上がり、楽しそうに鳴いていた。道行く人々は、それぞれに違う物語を抱え、早足で通り過ぎていく。一人の少年が、地面に落ちた枯葉を不思議そうに眺めている。その姿は、まるで小さな宝物を見つけた探検家のようだった。
私はただ、そのすべてを静かに見つめている。彼らが交わす言葉も、彼らが抱く感情も、すべては私のガラス越しにある。彼らの小さな喜びや、ささやかな悩みが、光の粒となって私の世界に降り注ぐ。
いつか、この窓を開けて、彼らの物語の中にそっと足を踏み入れてみたい。そんな夢を抱きながら、今日も私は、このガラス越しの世界を眺めている。
